Today's Topic
2つの関数\(f(x),g(x)\)に対して、
$$f(g(x)), g(f(x))$$
のような関数を合成関数という。
この記事を読むと、この意味がわかる!
- 合成関数の意味
- 合成関数かどうか判断する方法
- 合成関数の重要性質
Contents
合成関数講座|そもそも関数とは
関数は中学校の頃から導入されますが、あなたは関数とは一体何か説明できますか?
もし説明できるのであれば十分です、この章は読み飛ばしちゃってください!
一方で「方程式と区別がつかなかったなぁ」なんていう人は、そもそも関数の意味が理解できていません。
まずは関数の定義を確認しましょう。
関数の定義
『\(y\)が\(x\)の関数である』とは、\(x\)の値を1つ決めたとき、\(y\)の値がいつでもただ1つに決まる関係のこと。
図で表すとこのようになります。
関数でない例
すなわち、\(x\)の値を1つ代入して、答えが1つでないものは関数ではありません。
例えば、円の方程式\(x^2+y^2=1\)は\(x\)の値を適当に1つ代入したとき、\(y\)の値が2つ定まることがあるので関数ではありません。
独立変数・従属変数
続いて言葉のお勉強。
\(y\)が\(x\)の関数であるとき、
- \(x\)を独立変数
- \(y\)を従属変数
と言います。
イメージしやすいように言うと、英語では
- \(x\)をinput
- \(y\)をoutput
と言いますよ。
合成関数講座|合成関数の意味と考え方
関数の意味がわかれば、合成関数の意味の把握は難しくありません。
\(x\)が\(t\)の関数\(x=g(t)\)、\(y\)が\(x\)の関数\(y=f(x)\)の場合を考えてみましょう。
\(x\)は\(t\)に依存し、その\(x\)に\(y\)は依存するわけですから、当然\(y\)は\(t\)に依存します。
このように関数\(y=f(x)\)の独立変数\(x\)もまた、関数\(x=g(x)\)と表されるとき、\(y=f(g(t))\)と書き\(y\)と\(t\)の合成関数と言います。
\(f(g(t))\)を\(\left(f\circ g\right)(t)\)と書くこともありますが、それは図の赤線のようにショートカットした矢印のことを指しています。
具体的な例題を見てみましょう。
例題
\(f(x)=x^2\),\(g(x)=2x+1\)とするとき、\(f(g(x))\)の値を求めよ。
\(f(g(x))=f(2x+1)=(2x+1)^2\)
ご覧の通り、合成関数の演算は独立変数\(x\)を関数\(g(x)\)に書き換える作業、もしくは代入とみなすことができます。
ポイント
合成関数\(f(g(x))\)は、関数\(f(t)\)の独立変数\(t\)が、関数\(g(x)\)に書き換わっているとみなせばOK。
合成関数の例
具体的な合成関数をみて、もっと合成関数の感覚を育てましょう。
(例1)\(y=(2x+1)^2\)
この関数は、\(y=u^2\)の独立変数\(u\)が、関数\(u=2x+1\)に書き換わっているとみることができます。
よって合成関数であることがわかります。
(例2)\(y=\sin(3x+1)\)
この関数は\(y=\sin\theta\)の独立変数\(\theta\)が、関数\(\theta=3x+1\)に書き換わっているとみることができます。
よって合成関数であることがわかります。
(例3)\(y=\log (\frac{1}{2}x)^3\)
この関数は\(y=\log u\)の独立変数\(u\)が、関数\(u=\left(\frac{1}{2}x\right)^3\)に書き換わっているとみることができます。
またこの関数\(u\)も\(u=v^3\)の独立変数\(v\)が関数\(v=\frac{1}{2}x\)に書き換わっているとみることができます。
よって3つの関数の合成関数であることがわかります。
(例4)\(y=\log \left(-\frac{1}{2}|x|\right)\)
この関数は\(y=\log u\)の独立変数\(u\)が、関数\(u=-\frac{1}{2}|x|\)に書き換わっていると見なせます。
ところが、関数\(u\)の値は常に負となり、その\(u\)を自然対数の真数とすることはできません(真数条件)。
つまり合成関数ではあるが、定義はできないということです。
合成関数講座|まとめ
最後にまとめです!
まとめ
- \(x\)の値を1つ決めると、\(y\)の値もただ1つに決まる関係を『\(y\)は\(x\)の関数』といい、\(y\)を従属変数、\(x\)を独立変数という。
- 合成関数\(f(g(x))\)を簡単に考えるためには、ある関数\(f(t)\)の独立変数\(t\)もまた関数\(t=g(x)\)であると見なせば良い。
- \(f(g(x))\)を\(\left(f\circ g\right)(x)\)と表すこともある。
合成関数は、関数の基本的な知識があれば全く難しくありませんね。
今後重要な位置を占めてくる関数なので、ぜひ覚えておきましょう。
以上、「合成関数について」でした。