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対数を考えるときには
$$\log_2 8 = 3$$
が
8は2の3乗
を意味していることを思い出せば良い。
この記事を読むと、この意味がわかる!
- $$\log_3 \frac{1}{9}$$
- $$\left(\frac{1}{9}\right)^{\log_3 2}$$
なんで対数が分かりにくいのか
いろいろ話す前に、まずは対数が苦手、嫌いという方の特徴をお話ししましょう。
これから対数を勉強するよ〜って人は読み飛ばしてください。
例題
$$\log_2 8 = 3$$
対数ができない人の解答は、ほぼ決まって次のようになります。
この解答は、はっきり言ってゴミです。
確かに対数の計算法則を用いれば、この解答は全く間違いではありません。
ただあっているから、使えるからといって不必要な場面で無駄な遠回りをしているこの解答は、数学ではなくただの書写です。
対数は公式の暗記、公式の乱用をすればいいなどという、嫌がらせみたいな数ではありません。
対数そのものの定義を見れば、公式なんて使いませんし、また公式自体覚えなくても自分で瞬時に導出できるようにまでなります。
もし先生が公式を暗記しろと教えたのであれば、口にチョークでも突っ込んであげといてください。
ここからリスタート。
無駄なことはせずに、定義からしっかり押さえていきましょう。
対数の定義
まずは対数の定義を確認していきましょう。
といっても、そんな厳密なこと抑える必要はありません。
例えば、方程式
を考えてみましょう。
このとき、変数\(x\)を底を2とする8の対数といい、\(\log_2 8\)と表します。
つまり
と
は全く同じことを考えていることになります。
つまり\(\log_2 8\)は、『8は2の何乗?』と聞いているだけ
ここで言葉のお勉強をしておきましょう。
において、2を底、8を真数と言います。
なので対数を見たら、
真数は底の何乗?
と聞かれているだけなんだと思えばOKです。
対数の解き方
具体例を通して、対数の定義を身につけましょう。
ここでは一応、悪い解答例も載せましたので、「こんな解き方するかね普通?」と冷たい目で見ておいてください。
メモ
悪い解答は「対数の公式」の乱用をしているだけ。
つまりまだ対数の性質や公式を習っていない人は、何をしているかわからないと思います。
対数の定義だけで解けるものを、なんか知らんけど公式使って解いてるんだなぁくらいの感覚で見ておけばいいです。
例題
$$\log_3 81$$
いい解答
81は9の2乗、9は3の2乗、つまり81は3の4乗ってことになりますね。
つまり\(\log_3 81 = 4\)です。
\begin{align} \log_3 81 &= \log_3 3^4\\\ &= 4\log_3 3 \\\ &= 4\cdot 1 \\\ &= 4\\\ \end{align}
例題
$$5 = \log_3 x$$
を満たす真数\(x\)の値を求めよ。
いい解答
\(\log_2 8 =3 \)を思い浮かべると、この問題は\(x\)は3の5乗といっているだけですね。
よって、\(3^5 = 243\)
ごめん、悪い解答思いつかないや。
多分、公式使ってしか対数考えられない人はこれ解けないんじゃない?知らんけど。
例題
$$\log_\sqrt{2} \sqrt[3]{4}$$
いい解答
ルートがあっても分数があっても、やることは一緒です。
\(\log_2 8 =3 \)を思い浮かべると、\(\sqrt[3]{4}\)は\(\sqrt{2}\)の何乗と聞いているだけですね。
これだとちょっと考えにくいので、底を2で揃えて考えてみると、
$$ \sqrt[3]{4} = 4^{\frac{1}{3}} = 2^{\frac{2}{3}}$$
$$\sqrt{2} = 2^{\frac{1}{2}}$$
なので、「\(2^{\frac{2}{3}}\)は\(2^{\frac{1}{2}}\)の何乗?」と聞いているだけですね。
答えは3乗ですね。
対数を考えにくい時は、共通の底を見つけて揃えてあげれば良い。
\begin{align} \log_{\sqrt{2}} \sqrt[3]{4} &= \log_{\sqrt{2}} 4^{\frac{1}{3}}\\\ &= \log_{\sqrt{2}} 2^{\frac{2}{3}} \\\ &= \log_{\sqrt{2}} \left(\sqrt{2}\right)^{\frac{4}{3}} \\\ &= \frac{4}{3}\log_{\sqrt{2}} \sqrt{2}\\\ &= \frac{4}{3} \end{align}
指数に対数がある数
対数の中には、次のようなものも存在します。
例題
$$2^{\log_2 5}$$
一見キモい見た目をしていますが、焦らず\(\log_2 8\)を思い出してください。
\(\log_2 5\)は日本語訳すると、どうなりますか?
つまり\(t = \log_2 5\)とおくと、\(5 = 2^t\)となるわけですね。
この\(t\)を戻してあげると、、、
となり、答えが5であることがわかりますね。
これは対数の意味を考えてみれば当然の結果です。
\(log_2 5\)は「2を何回掛けたら5になるか」を表している数です。
その「2を何回掛けたら5になるか」を表した数だけ2を掛けたら、当然5になりますね。
まとめ
まとめ
対数を考えるときには
$$\log_2 8 = 3$$
が
8は2の3乗
を意味していることを思い出せば良い。
対数は問題を一見、複雑そうに見せれる最も簡単な手法です。
虎の威を借る狐的な?
見た目がグロいだけで、定義を考えれば、結局むちゃくちゃ簡単なことを聞かれている場合が多いので、公式に頼らず、定義を見つめ直すようにしましょう。
ちなみに対数の定義というより、毎回\(\log_2 8 = 3\)をどっかに書いて「8は2の3乗」って読んでおくクセをつけると良いかもしれません。
以上、「対数の定義について」でした。
チェック問題
例題
$$\log_3 \frac{1}{9}$$
「\(\frac{1}{9}\)は3の何乗か?」と聞かれていますね。
\(\frac{1}{9} = 3^{-2}\)であることがわかれば、瞬殺ですね。
答えは\(-2\)です〜。
参考【整数の指数法則】なぜ0乗が1なのか、息をするようにわかる指数法則
例題
$$\left(\frac{1}{9}\right)^{\log_3 2}$$
はい、指数に対数が含まれていますが発作を起こさないでくださ〜い。
\(\log_3 2\)は「2は3の〜乗」の〜を表す数ですね。
これはつまり「3を\(\log_3 2\)回かけると2になる」ということを表していますよね?
ここで簡単な式変形をしてみましょう。
このように式変形したのは、\(3^{\log_3 2}\)が欲しかったからです。
「3を\(\log_3 2\)回かけると2になる」ということが既に得られているので、
よって、