Today's Topic
$$a^0=1$$
$$a^{-1}=\frac{1}{a}$$
この記事を読むと、この意味がわかる!
- 0乗や-1乗の意味や考え方
- 指数法則はいつでも成り立つのか?
指数法則|中学校までの指数法則
指数は中学校の数学で初登場し、そのときは\(3^3\)や\((-2)^2\)などを主に扱います。
このとき指数は、自然数で定義されています。
中学範囲の指数
このように指数が自然数の場合であれば、以下の指数法則が成り立つことは、実際に計算してみればすぐに確認できます。
自然数のとき成り立つ指数法則
$$a^x\times a^y = a^{x+y}$$
$$(a^x)^y = a^{xy}$$
$$(xy)^n =x^n y^n $$
指数法則を自然数から整数へ
ここでは、指数を以下のように指数をより広い整数まで拡大します。
目標
(※見切れている場合はスクロール)
3つの指数法則
$$a^x\times a^y = a^{x+y}$$
$$(a^x)^y = a^{xy}$$
$$(xy)^n =x^n y^n $$
は、指数があくまでも自然数のときにしか有効ではありません。
そこで、
ポイント
指数が整数のときにも、指数法則が成り立つと仮定する
ことにしましょう。
指数法則
について、\(x\)と\(y\)が整数のときにも成り立つと仮定することで次のように考えることができます。
$$a^1a^0=a^{1+0}=a^1$$
左辺と右辺を見比べて、\(a^0=1\)
つまり、
ポイント
整数範囲でも指数法則が成り立つと仮定すると、\(a^0=1\)となる
ということがわかります。
同じように、\(a^xa^y=a^{x+y}\)を用いて、
$$a^na^{-n}=a^{n-n}=a^0=1$$
左辺と右辺を\(\frac{1}{a^n}\)で割ると、\(a^{-n}=\frac{1}{a^n}\)
となることから、
ポイント
整数範囲でも指数法則が成り立つと仮定すると、\(a^{-n}=\frac{1}{a^n}\)となる
ことがわかりました。
逆に言えば、\(a^0=1,a^{-n}=\frac{1}{a^n}\)さえ認めてしまえば、指数法則は成り立ちます。
よって、
$$\Large{a^0 = 1 ,\ \ a^{-n}=\frac{1}{a^n}}$$
と定義する
ことで指数法則が整数のときでも成り立つことが証明できました。
まとめ
まとめ
指数法則が成り立つように、指数を定義するとき
$$a^0=1$$
$$a^{-1}=\frac{1}{a}$$
とする(ことで都合が良くなる)。
このように、自然数のときに指数が持っていた「〜回かける」という意味合いは、整数以降は消滅します。
高校数学における指数の意味合いは、「指数法則が成り立つように調整された数」と考える良いかもしれません。
今回は整数までを扱いましたが、次は有理数のときを考えてみましょう。
このように数の世界をだんだん拡大することによって、最終的には指数/対数関数というものを考えやすくします。
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【有理数の指数法則】なぜ分数乗がルートになるのか、寝ててもわかる指数法則
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以上、「整数までの指数法則について」でした。