Today's Topic
$$\left(\sin x\right)'=\cos x$$
$$\left(\cos x\right)'=-\sin x$$
$$\left(\tan x\right)'=\frac{1}{\cos^2 x}$$
この記事を読むと、この意味がわかる!
- サインコサイン、タンジェントの微分公式の証明方法
- どこに着目し、何故その変形を施すのか
三角関数の微分公式 証明
それでは3つの公式を1つずつ証明していきましょう。
といっても、最初のサインだけクリアしてしまえばそれほど難しくないです。
サインの微分
ポイント
$$\left(\sin x\right)'=\cos x$$
まずは微分の定義を用いて、サインの微分について考えてみましょう。
\(f(x)=\sin x\)とすると、
と表せますね。
しかしこのまま計算すると、不定形\(\frac{0}{0}\)になってしまうため、よろしくありません。
不定形を解消するためには、分子をうまく変形する必要があります。
そこで加法定理と呼ばれるものを用います。
ポイント
\(\sin\left(x+a\right)=\sin x\cos a+\cos x\sin a\)
\(\cos\left(x+a\right)=\cos x\cos a-\sin x\sin a\)
(※見切れている場合はスクロール)
加法定理について復習したい人はこちらを参考にしてください。
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加法定理の使い方とイメージしやすい証明→覚えることは2つだけ!
続きを見る
これを用いると、分子は次のように変形できます。
(※見切れている場合はスクロール)
よって、
(※見切れている場合はスクロール)
となります。
ここで簡単に考えるため、分子を分裂させて見ましょう。
(※見切れている場合はスクロール)
得られた式を、次のように変形させます。
(※見切れている場合はスクロール)
この式にした理由は、次の極限公式を使うためです。
ポイント
$$\lim_{h\rightarrow 0}\frac{\left(1-\cos h\right)}{h^2}=\frac{1}{2}$$
$$\lim_{h\rightarrow 0}\frac{\sin h}{h}=1$$
(※見切れている場合はスクロール)
サインコサインの極限公式について復習したい人はこちらを参考にしてください。
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sinの極限と応用公式|三角関数の極限の不定形はこいつで対処しろ
続きを見る
これを用いることで、
(※見切れている場合はスクロール)
となります。
よって、
コサインの微分
ポイント
$$\left(\cos x\right)'=-\sin x$$
コサインの微分公式は、サインの微分公式の求め方とほぼ変わりません。
(※見切れている場合はスクロール)
となり、次の微分公式が得られます。
よって、
タンジェントの微分
ポイント
$$\left(\tan x\right)'=\frac{1}{\cos^2 x}$$
サインコサインの単元でも紹介した通り、タンジェントは基本サインコサインの形にすることで問題を解けます。
より、
を考えて見ましょう。
これを解くためには、分数関数の微分が必要です。
商の微分公式を覚えている方であれば、それを使ってもOKです。
商の微分法を使うと、次のような式変形が行えます。
(※見切れている場合はスクロール)
以上より、
まとめ
まとめ
- $$\left(\sin x\right)'=\cos x$$
- $$\left(\cos x\right)'=-\sin x$$
- $$\left(\tan x\right)'=\frac{1}{\cos^2 x}$$
- サインの微分公式を証明するためには、加法定理とサインの極限公式を用いれば良い。
- タンジェントの微分公式を証明するためには、\(\frac{\sin \theta}{\cos \theta}\)の形にして、分数の微分公式を用いれば良い。
サインコサインの微分公式の証明は、今回紹介したもの以外にも、様々な証明手法が存在します。
それらの証明手法に触れてみることは、とてもいい練習になりますが、暗記する必要はありません。
以上、「サインコサインの微分公式」についてでした。