Today's Topic
導関数の表し方
$$f’(x),y’,\frac{dy}{dx}$$
この記事を読むと、この意味がわかる!
- 導関数を\(f’(x),y’,\frac{dy}{dx}\)のどれで表した方がいいのか
- それぞれの表し方のメリット
Contents
一般的な微分の定義
問題で提示された、もしくは自分で定義した関数が
のように\(f(x)\)を用いて表されている場合、この導関数は\(f'(x)\)と表されます。
対して
のように\(y\)を用いて表現した場合、この導関数は\(y'\)と表現されます。
どちらの表現を用いても構いませんが、基本的には\(f(x)\)のほうをオススメします。
関数\(f(x)\)の導関数\(f'(x)\)が求まると、例えば\(x=2\)のときの微分係数は\(f'(2)\)と表現することができます。
一方で関数\(y\)の導関数\(y'\)は、\(x=2\)のときの微分係数を表現できません。
微分係数はよく使う観点なので、\(f(x)\)で表現したほうが文字数が減らせるというわけです。
明示的な微分の定義
「関数\(y\)を\(x\)で微分する」というのを
と表現したり、
「関数\(f(t)\)を\(t\)で微分する」というのを
と表現することもあります。
すでにお分かりかもしれませんが、「~を\(x\)で微分する」というのを、
と、分数のようにみえるコイツを付けることで表現しています。
分数と混同しないように
は、「ディーワイディーエックス」と読みます。
ではなぜ、この分数のような見た目を採用したのでしょうか。
実は微分には、分数の約分と似たような性質があることがわかったのです。
$$\frac{dt}{dx}=x$$
のとき、
$$dt= x\ dx$$
この性質を利用するのは数Ⅲの積分、証明に関しては大学数学で行います。
ただ、この表し方は
どの関数を、どの変数で微分するのか
がかなりわかりやすいので、積極的に利用してOKですよ。
例題
関数\(y=x^2+a^2\)について、次の値を求めよ。
- $$\frac{dy}{dx}$$
- $$\frac{dy}{da}$$
1.について
関数\(y=x^2+a^2\)の文字\(x\)を変数、\(a\)を定数とみなして微分する。
よって、
2.について
関数\(y=x^2+a^2\)の文字\(a\)を変数、\(x\)を定数とみなして微分する。
よって、
まとめ
今回は3通りの微分の表し方をご紹介しました。
問題で提示された形に合わせて使い分ければ、基本的にはOKです。
ただし
- \(f’(x)\)の方が微分係数を表しやすい
- \(\frac{dy}{dx}\)はナニをナニで微分するかが分かりやすい
という、表現の利点を理解して使い分けると解答がスッキリしますよ!
以上、「微分の表し方」についてでした。