学生の頃使いたかったサービス

【学生に戻れるなら使いたい】未来に必要な力が効率的に得られる!お得な優秀サービス

おすすめの数学参考書

【完全版】高校数学の勉強法とオススメの参考書をレベル別にまとめてみました。

理系微分

【陰関数の微分法】カンタン3ステップ。効果的な使い方と具体例

Today's Topic

陰関数$$f(x,y)=0$$を微分するためには、両辺微分して、合成関数の微分法を使えば良い。

 

小春
楓く〜ん、陰関数って不気味なのに、微分法までやるの?!
あー、まぁ見た目はグロいね。でも陰関数の微分法は、一回経験しておけば大丈夫!
小春
ほんと?わかりやすく教えてね!

 

この記事を読むと、この問題がわかる!

  • 陰関数$$x^2+y^2-1=0$$を微分せよ。
  • 陰関数$$f(x,y)=y^2-x^2\left(4-x^2\right)=0$$の導関数\(\frac{dy}{dx}\)を求めよ。

例題と最後で答えを出すよ!

 

 

陰関数の微分法のコツ→合成関数の微分法を適用

 

例題を通して、具体的な手法を学んでいきましょう!

たったの3ステップでOK!

 

例題

陰関数\(f(x,y) = x^2 + y^2 -1 = 0\)の\(x=\frac{1}{2}\)における微分係数を求めよ。

 

STEP1. 両辺を\(x\)で微分

 

両辺を\(x\)について微分すると、

(左辺)
\begin{align} \frac{d}{dx}\left(x^2 + y^2 -1\right) &= 2x +\color{red}{ \frac{d}{dx}y^2} +0\\\ \end{align}
小春
\(y^2\)は\(x\)で微分できないね・・・。

 

STEP2. 合成関数の微分法を用いて、\(\frac{d}{dx}f(y)\)を解決

 

ここで合成関数の微分法より、

\begin{align} \color{red}{ \frac{d}{dx}y^2} &= \frac{d}{dy}y^2 \cdot \frac{dy}{dx} \\\ &= 2y\cdot \frac{dy}{dx}\\\ \end{align}

 

STEP3. \(\frac{dy}{dx}について解く\)

 

右辺を微分すると0。STEP2も併せて考えると、

$$2x + 2y\cdot \frac{dy}{dx} = 0$$

 

これを \(\frac{dy}{dx}\)について解くと、

$$\frac{dy}{dx} = -\frac{x}{y}$$

これで陰関数の微分はOKです。

 

あとは微分係数を求めるために、\(x=\frac{1}{2}\)を代入してあげましょう。

\(x=\frac{1}{2}\)のとき、\(y=\pm\frac{\sqrt{3}}{2}\)

 

よって、\(x=\frac{1}{2}\)のときの微分係数は

\begin{align} -\frac{x}{y} &= -\frac{\frac{1}{2}}{\pm \frac{\sqrt{3}}{2}} \cdot \frac{dy}{dx} \\\ &= \pm \frac{1}{\sqrt{3}}\\\ \end{align}
小春
繁分数の計算をすれば、あっという間に出せるね。

 

ところで、この陰関数は円の方程式を陰関数表示したものですね。

つまりこの微分係数がわかったことで、図のように\(x=\frac{1}{2}\)のときの円の接線の傾きがわかりました。

円の接線の方程式

 

陰関数の微分でやってはいけないこと

 

陰関数の微分の問題が出題されたとき、一番やってはいけないこと。

それは陽関数表示しようと試みることです。

陰関数についての記事でも扱いましたが、基本的に陰関数は陽関数表示することが困難、というより不可能です。

 

先ほどの例題は確かに

$$y = \pm \sqrt{1-x^2}$$

と陽関数表示することは可能です。

 

では、次のような陰関数はどうでしょうか。

 

例題

$$f(x,y) = x^3y+x ^2 y^2 -y = 0$$

 

小春
いや、しんどい・・・。というかできるの・・・泣
さぁね。陽関数にしたいと思わないからどうでもいいや。

 

合成関数の微分法をマスターしてさえいれば、今回の陰関数の微分もそれほど難しくはないですよね。

 

変に陽関数表示にしてから微分という、危ないしできるかもわからない手法を使うよりも、陰関数の微分法を使ったほうが安心ですね。

 

まとめ

最後にまとめます。

 

まとめ

陰関数を微分するためには、

  1. 両辺を\(x\)で微分し、
  2. \(\frac{d}{dx}f(y)\)を合成関数の微分法を使って\(\frac{d}{dy}f(y)\cdot\frac{dy}{dx}\)の形にし、
  3. \(\frac{dy}{dx}\)について解けば良い。

 

数Ⅲの複雑な微分法をこれまで見てきましたが、

結局、合成関数の微分法さえできればなんとかなるんじゃね

と思ったあなた。えらい、出世します。

 

陰関数の問題自体は頻出するわけではありませんが、おまけ程度に頭の片隅に入れておきたいですね。

 

以上、「陰関数の微分法について」でした。

 

チェック問題

 

例題

陰関数$$f(x,y)=y^2-x^2\left(4-x^2\right)=0$$の導関数\(\frac{dy}{dx}\)を求めよ。

 

両辺\(x\)について微分すると、

(左辺)

\begin{align} \frac{d}{dx}y^2-\frac{d}{dx}\left\{x^2(4-x^2)\right\} &= \underbrace{\frac{d}{dy}y^2\cdot\frac{dy}{dx}}_{合成関数の微分法} - \underbrace{2x(4-x^2)-2x^3}_{積の微分法}\\\ &= 2y\cdot\frac{dy}{dx}+4x(x^2-2)\\\ \end{align}

(※見切れている場合はスクロール)

 

(右辺)は0なので、

$$2y\cdot\frac{dy}{dx}+4x(x^2-2) = 0$$

 

\(y\neq 0\)として\(\frac{dy}{dx}\)について解くと、

$$\frac{dy}{dx} = -\frac{2x(x^2-2)}{y}$$

 

 

ちなみに陰関数\(f(x,y)=0\)を陽関数表示してみると、

$$y = x\sqrt{4-x^2}$$

となるので、

$$\frac{dy}{dx} = -\frac{2x(x^2-2)}{ x\sqrt{4-x^2}}$$

と表すこともできます。

ただし、\(x\neq 0,\pm 2\)であることに注意!

\今回の記事はいかがでしたか?/

-理系微分

© 2024 青春マスマティック Powered by AFFINGER5