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基本講座

【関数とは】中学生でも大丈夫!曖昧にしがちな関数の特徴をしっかりマスターしよう

関数とは

Today's Topic

関数とは\(x\)の値を1つ定めると、\(y\)の値が1つ定まる関係のことをいい、一対一・多対一対応がこれに当てはまる。

関数かどうか判断するためには、グラフを考えて\(x\)軸に垂直な直線との交点が1つであるか確かめれば良い。

 

今日は数学で意外とみんなスルーしているポイント、関数についてしっかり理解してもらうよ!
中学校のとき、方程式との違いがいまいち理解できなかった気がするなぁ。
小春
グラフが関わるから関数、という理解をする人がいるけどこれは間違いだからね。ここが理解できると、高校数学のハードルが結構低くなるはずだよ!

 

この記事を読むと、この問題が解ける!

  • \(x=2^y\)は関数であると言えるか。
  • 方程式\(x^2+y^2=1\)は中心が原点の、半径1の円を表す。この方程式は関数として適切か?

答えは一番最後に扱うよ!

 

関数の定義

 

まずは関数の定義をみてみましょう。

定義

『\(y\)が\(x\)の関数である』とは、\(x\)の値を1つ決めたとき、\(y\)の値がいつでもただ1つに決まる関係のこと。

 

関数の説明をする際に、自動販売機の例がよく用いられますが、全然わかりやすくないと思うので、ここでは純粋に数学の集合だけを用いて考えていきましょう。

 

一対一対応とは

 

2つの変数\(x\)と\(y\)を使って考えていきましょう。

この2つの変数には、今は特に決まりがなく、ただ単に\(y\)の値は\(x\)の値によって変化するというルールのみが存在するとします。

 

例えば\(y=2x\)という方程式は、「\(y\)の値は\(x\)の値を2倍したもの」ということを表しており、\(x\)の値が変化すれば、\(y\)の値も当然変化しますね。

例えば\(x=2\)のときは\(y=4\)だけど、\(x=5\)のときは\(y=10\)だよね?
確かに\(y\)は\(x\)の値によって変化しているね。
小春

 

この\(y=2x\)という方程式において、次のような状況が存在するか考えてみましょう。

ある\(x\)の値を代入したところ、\(y\)の値が異なる2つの値が求められた

 

小春
\(x=a\)のとき、\(y=2a\)だよね?2つ求められるなんてことある?\(x\)の2倍以外あり得なくない?
その通り、あり得ないよね。

 

このように、\(x\)の値を1つ定めると、\(y\)の値が1つだけ定まる状況を一対一対応といいます。

 

一対多対応とは

 

では\(x\)を1つ定めたときに、\(y\)の値が2つ以上決まる場合はあるのでしょうか?

実はこの世界には無数にあります

 

例えば方程式\(y^2 = x\)を考えてみましょう。

これは\(x\)の値が4のとき、\(y=2\)となりますね。

しかし\(y=-2\)の場合でも、\(y=2\)のときと同様に\(x=4\)となりませんか?

 

ちゃんと

ある\(x\)の値を代入したところ、\(y\)の値が異なる2つの値が求められた

という状況が起きていますね。

小春
ほ、ほんとだっ。。。

 

このように、1つの\(x\)に対して、2つ以上の\(y\)の値が定まる状況を一対多対応といいます。

 

多対一対応とは

 

\(x\)の値を1つ定めると、\(y\)の値が1つに定まる一対一対応。

\(x\)の値を1つ定めると、\(y\)の値が2つ以上定まる一対多対応。

実はもう1つ、多対一対応というものがあります。

 

これは\(x\)の値を複数当てはめても、\(y\)の値が1つに定まる状況を指します。

小春
一対多のまさに逆バージョンって感じだね。

 

\(y=0x+5\)はまさに多対一のいい例でしょう。

\(x\)にどんな値を代入しても、\(y\)の値は全く変化せず5のままですね。

 

関数は一対一、多対一のこと

 

ここで簡単にまとめると、図のようになります。

2つの集合の対応関係
  • \(x\)と\(y\)の関係:一対一対応
  • \(a\)と\(b,c\)の関係:一対多 対応
  • \(p,q\)と\(r\)の関係:多対一 対応

 

小春
集合\(X\)にある値\(x\)や\(a\)が変化すると、集合\(Y\)にいる\(y\)や\(b\)が変化するのね。
その通り。そして図では\(a\)が1つ決まると、\(b\)と\(c\)の2つの値が求まることを表しているよ。

 

ここで、もう一度関数の定義を見返してみましょう。

定義

『\(y\)が\(x\)の関数である』とは、\(x\)の値を1つ決めたとき、\(y\)の値がいつでもただ1つに決まる関係のこと。

 

つまりこの3つのうち、一対一、多対一対応だけが関数の定義を満たしますね

小春
多対一は仲間外れなんだね。

 

そして集合\(X\)に属する値のことを独立変数、集合\(Y\)に属する変数のことを従属変数と言います。

具体的には『\(y\)が\(x\)の関数である』としたとき、\(x\)のことを独立変数、\(y\)のことを従属変数と呼ぶわけです。

\(x\)はなんでも決めていいから「独立」した動きができるでしょ?一方で\(y\)は\(x\)の値に「従属」して決まるよね。
なんかややこしい言い方してるなぁ。。。
小春
ちなみに英語では独立変数をinput、従属変数をoutputって言うよ。
わ、わかりやすい・・・!
小春

 

関数はグラフで捉えるとわかりやすい

 

今回一対一、一対多、そして多対一を説明する中で利用した

  • $$y = 2x$$
  • $$y^2 = x$$
  • $$y = 0x+5$$

の3つをそれぞれグラフで見ていこうと思います。

 

一対一対応のグラフの例
一対一対応のグラフ

 

一対多対応のグラフの例
一対多対応のグラフ 

 

多対一対応のグラフの例
多対一対応のグラフ

 

この3つのグラフを眺めたとき、あることに気づきませんか?

 

小春
この点線なに?
この点線とグラフの交点は、ある\(x\)の値を1つ決めたときに決まる\(y\)を座標に持つ点\((x, \ y)\)を表しているよ。
小春
へぇ〜、、、一対多だけ点が2つあるんだねぇ、、、あっ!
わかったかな?
小春
これもしかして、関数の場合は点線との交点が1つしかないってこと?!
その通り!

 

\(x\)軸に垂直な直線は方程式\(x = a\)のように表せますが、グラフ中の点線はまさしくこの\(x=a\)を表しています。

つまりこれまで考えていた\(x\)の値を1つ決める、とはグラフにおいては\(x\)軸に垂直な直線を一本決めるということに他なりません。

 

これにより、\(x\)軸に垂直な直線とグラフの交点が\(x\)に対応する\(y\)の解の個数を表しており、この個数が2個以上ある場合は、すなわち一対多を意味するため関数ではないことがわかります。

 

関数かどうか判断するためには、グラフを考えて見れば良い。

まとめ

 

それじゃあまとめよう!

 

まとめ

関数とは\(x\)の値を1つ定めると、\(y\)の値が1つ定まる関係のことをいい、一対一・多対一対応がこれに当てはまる。

関数かどうか判断するためには、グラフを考えて\(x\)軸に垂直な直線との交点が1つであるか確かめれば良い。

 

関数は高校数学ではいくつかの種類出てきますが、関数の議論は大学数学まで続く重要な内容です。

中学校の段階で曖昧でも、高校数学以降その意味を疎かにしていると数学の魅力が半減以下になるといっても過言ではありません。

 

ぜひ遠回りと思わずに、確実に歩いてみてください。

以上、「関数について」でした。

 

チェック問題

 

例題

\(x=2^y\)は関数であると言えるか。

 

小春
え〜、なんか難しそ〜・・・

 

\(x\)が1のとき、\(y\)の値は指数法則より0となりますね。

その他\(x=3\)や\(x=7\)のときなどを考えてもいいですが、正直あまりピンとこないのではないでしょうか。

 

そこでいっそ、絶対にこの方程式が成り立たない場面を考えてみましょう。

すると、例えば\(x=-1\)など負の値を取るとき、2を何乗しても負の値にはなりませんのでこの方程式は不成立ですね。

 

つまり\(x\)の値を1つ定めているにもかかわらず、それが負の数である場合、\(y\)の値は1つも定まらないということになります。

よってこれは関数ではありません。

 

例題

方程式\(x^2+y^2=1\)は中心が原点の、半径1の円を表す。この方程式は関数として適切か?

 

これはせっかくなのでグラフから考えてみましょう。

円は関数ではない
小春
あ、\(x\)の値を1つ決めると\(y\)の値は2つ決まってしまうね。。。
グラフだけでなく、\(x=\frac{1}{2}\)を方程式に代入すると\(y=\pm\frac{\sqrt{3}}{2}\)となり、解が二つあるとわかるよ。

\今回の記事はいかがでしたか?/

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