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理系微分

【媒介変数表示のグラフ】2階微分は絶対するな!極限を使った超カンタン解答方法

媒介変数表示されたグラフ

Today's Topic

媒介変数表示されたグラフを描くためには、

  1. \(\frac{dx}{dt},\frac{dy}{dt},\frac{dy}{dx}\)を求め、
  2. \(\frac{dx}{dt}=0,\frac{dy}{dt}=0\)となる\(t\)の値を求め、
  3. それを元に増減表を描き、グラフで大まかな点を打つ。
  4. 最後にその2点間のカーブの仕方を極限で調べればOK!

 

今回はアステロイドと呼ばれる、次の媒介変数表示について考えよう!

 

例題

$$\left\{ \begin{array}{l} x=\cos^3 t \\ y=\sin^3 t \end{array} \right. \ (0≦t≦\pi)$$

のグラフを描け。

 

小春
今まで通り、2階微分して増減表じゃダメなのかな?

 

 

この記事を読むと、この意味がわかる!

  • 媒介変数表示されたグラフを、効率的に解く方法
  • 2階微分の不必要性と、媒介変数の本質

最後に練習問題もつけました!

 

媒介変数表示の2階微分がしんどい

 

さて、まずグラフを描くといって一番最初に思い浮かぶのは微分です。

媒介変数表示の場合、導関数\(\frac{dy}{dx}\)を求めるところから始めます。

 

(解答)
 
\(\frac{dx}{dt}=-3\cos^2 t\sin t, \ \frac{dy}{dt}=3\cos t \sin^2 t\)
媒介変数の微分法を用いて、
$$\frac{dy}{dx} = \frac{\frac{dy}{dt}}{\frac{dx}{dt}} = -\tan t$$

 

となりますが、2階微分\(\frac{d^2y}{dx^2}\)の値を求めるためには、少し工夫が必要になります。

長くなるから、別記事で紹介するね・・・。

 

この2階微分が一筋縄では行かないワケで、2階微分の値は次のようになります。

$$\frac{d^2x}{dx^2} = \frac{1}{3\cos^4 t \sin t}$$
小春
ふぇえええ、予想と全然違う形だよぅ泣

 

符号の変化さえ、わかればいい

 

ここで、ちょっと立ち止まって考えてみましょう。

これまで凹凸のあるグラフを描くとき、必ず2階微分を調べてきましたが、そもそも何が知りたくて計算していたのでしょうか?

 

それは、『2階微分の符号の変化』を知りたかったから。

2階微分=0を調べてから、増減表を考えていたね。

 

要は2階微分しなくても、2階微分した値の正負さえ、わかればいいのです。

 

2階微分をもう一度考えてみると、

\begin{align} \frac{d^2y}{dx^2} &= \frac{d}{dx}\frac{dy}{dx}\\\ &= \frac{d}{dx}\left(\frac{dy}{dt}\cdot \frac{1}{\frac{dx}{dt}}\right)\\\ \end{align}

なので、2階微分の符号は\(\frac{dy}{dt},\frac{dx}{dt}\)に依存していることがわかります。

つまり2階微分を計算しなくても、すでにわかっている\(\frac{dy}{dt},\frac{dy}{dt}\)の符号チェックだけすればOK!

 

(解答 続き)
 
\(\frac{dx}{dt}=0,\frac{dy}{dt}=0\)のとき、\(t=0,\frac{\pi}{2},\pi\)
ここまでで、増減表は次のようになる。

$$t$$ $$0$$ $$\cdots$$ $$\frac{\pi}{2}$$ $$\cdots$$ $$\pi$$
$$\frac{dx}{dt}$$ $$0$$ $$-$$ $$0$$ $$-$$ $$0$$
$$x$$ $$1$$ $$\searrow$$ $$0$$ $$\searrow$$ $$-1$$
$$\frac{dy}{dt}$$ $$0$$ $$+$$ $$0$$ $$-$$ $$0$$
$$y$$ $$0$$ $$\nearrow$$ $$1$$ $$\searrow$$ $$0$$
$$(x,y)$$ $$(1,0)$$   $$(0,1)$$   $$(-1,0)$$

 

この時点で、次のようなグラフが描けるよ!
媒介変数表示されたグラフを描く

 

媒介変数表示されたグラフの描き方

 

さて、あとは曲がり方の問題です。

 

これは曲がり方についての記事で紹介した通り、1階微分\(\frac{dy}{dx}\)の極限を調べることでわかります。

$$\lim_{t\to +0} \frac{dy}{dx} = 0$$
小春
\(t=0\)に近づくほど、接線の傾き\(\frac{dy}{dx}\)が0に近くなることがわかるね。

 

$$\lim_{t\to \frac{\pi}{2}-0} \frac{dy}{dx} = -\infty$$
小春
ここまでで、\(0〜\frac{\pi}{2}\)の間は【\(-\infty & 0\)】型とわかるね!
  媒介変数表示されたグラフを描く

 

 

$$\lim_{t\to \frac{\pi}{2}+0} \frac{dy}{dx} = \infty$$
$$\lim_{t\to \pi -0} \frac{dy}{dx} = 0$$
ここまでで、\(0〜\frac{\pi}{2}\)の間は【\(\infty & 0\)】型とわかる!
媒介変数表示されたグラフを描く

 

よって、グラフは下図となります。

媒介変数表示されたグラフを描く
媒介変数表示は、三角関数の極限さえ抑えておけばそれほど難しくないよ。
なるほど、圧倒的にめんどくさい2階微分を避けて、簡単な極限で代用するってことか!
小春

 

まとめ

今日のまとめ!

まとめ

媒介変数表示されたグラフを描くためには、

  1. \(\frac{dx}{dt},\frac{dy}{dt},\frac{dy}{dx}\)を求め、
  2. \(\frac{dx}{dt}=0,\frac{dy}{dt}=0\)となる\(t\)の値を求め、
  3. それを元に増減表を描き、グラフで大まかな点を打つ。
  4. 最後にその2点間のカーブの仕方を極限で調べればOK!

 

正直な話、2階微分を強引にやってしまえばいらないテクニックかもしれません。

ですが、『ラクして効率的に解く』、それが数学です。

計算ミス・時間ロスをしないように効率的に解く努力をしていきましょう!

 

以上、「媒介変数表示のグラフの描き方」についてでした。

チェック問題

 

例題

次のような媒介変数表示で定義される点\((x,y)\)はどのような図形を描くか。

$$\left\{ \begin{array}{l} x=(1+\cos\theta)\cos\theta \\ y=(1+\cos\theta)\sin\theta \end{array} \right. \ (0≦\theta≦\pi)$$

 

\(x,y\)ともに\(\theta\)について微分すると、

 

$$\left\{ \begin{array}{l} \frac{dx}{d\theta}=-(1+2\cos \theta)\sin\theta \\ \frac{dy}{d\theta}=2\cos^2\theta+\cos\theta-1 \end{array} \right. $$

 

\(\frac{dx}{d\theta}=0\)のとき、\(\theta =0, \frac{2}{3}\pi, \pi\)

\(\frac{dy}{d\theta}=0\)のとき、\(\theta = \frac{\pi}{3},\pi\)

 

よって増減表は次のようになる。

\(\theta\) \(0\) \(\cdots\) \(\frac{\pi}{3}\) \(\cdots\) \(\frac{2}{3}\pi\) \(\cdots\) \(\pi\)
\(\frac{dx}{d\theta}\)   \(-\) \(-\) \(-\) \(0\) \(-\) \(-\)
\(x\) \(2\) \(\searrow\) \(\frac{3}{4}\) \(\searrow\) \(-\frac{1}{4}\) \(\searrow\) \(0\)
\(\frac{dy}{d\theta}\)   \(+\) \(0\) \(-\) \(-\) \(-\) \(0\)
\(y\) \(0\) \(\nearrow\) \(\frac{3}{4}\sqrt{3}\) \(\searrow\) \(\frac{\sqrt{3}}{4}\) \(\searrow\) \(0\)
\((x,y)\) \((2,0)\)   \(\left(\frac{3}{4},\frac{3}{4}\sqrt{3}\right)\)   \(\left(-\frac{1}{4},\frac{\sqrt{3}}{4}\right)\)   \((0,0)\)

 

媒介変数の微分法より、

\begin{align} \frac{dy}{dx} &= \frac{\frac{dy}{d\theta}}{\frac{dx}{d\theta}}\\\ &= -\frac{2\cos^2\theta + \cos\theta-1}{1+2\sin 2\theta}\\\ \end{align}

 

$$\lim_{\theta\to \frac{\pi}{3}-0}=0$$
$$\lim_{\theta\to \frac{\pi}{3}+0}=0$$
$$\lim_{\theta\to \frac{2}{3}\pi-0}=\infty$$
$$\lim_{\theta\to \frac{2}{3}\pi+0}=-\infty$$
$$\lim_{\theta\to \pi -0}=0$$

より、増減表は次のようになる。

\(\theta\) \(0\) \(\cdots\) \(\frac{\pi}{3}\) \(\cdots\) \(\frac{2}{3}\pi\) \(\cdots\) \(\pi\)
\(\frac{dx}{d\theta}\)   \(-\) \(-\) \(-\) \(0\) \(-\) \(-\)
\(x\) \(2\) \(\searrow\) \(\frac{3}{4}\) \(\searrow\) \(-\frac{1}{4}\) \(\searrow\) \(0\)
\(\frac{dy}{d\theta}\)   \(+\) \(0\) \(-\) \(-\) \(-\) \(0\)
\(y\) \(0\) \(\nearrow\) \(\frac{3}{4}\sqrt{3}\) \(\searrow\) \(\frac{\sqrt{3}}{4}\) \(\searrow\) \(0\)
\((x,y)\) \((2,0)\) \(\left(\frac{3}{4},\frac{3}{4}\sqrt{3}\right)\) \(\left(-\frac{1}{4},\frac{\sqrt{3}}{4}\right)\) \((0,0)\)
座標を最初に打ってから、その間のつなげるイメージね!
そのつなげ方を極限で調べたのね!
小春

 

以上から、求めるグラフは次のようになる。

カージオイドのグラフの描き方
ちなみにこれはカージオイドと呼ばれる有名曲線だよ!

\今回の記事はいかがでしたか?/

-理系微分

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