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理系微分

【グラフの曲がり方】『グラフを描け』を最速で解くための最強スキルを公開。

正確なグラフを描くために必要な「曲がり方」のテクニック

Today's Topic

2点を結ぶグラフの曲がり方には、

  • 【\(\infty & 0\)型】
  • 【\(0 & \infty\)型】
  • 【\(-\infty & 0\)型】
  • 【\(0 & -\infty\)型】

の4通りがある。

 

さて、今日はグラフの曲がり方について考えていこう!
曲がり方?増減表のときに扱ったカーブのこと?
小春
そう!その最後に増減表の弱点について話したね。今日はその弱点を補う考え方を紹介するよ!
ということは今後、数Ⅲとかでも大事になりそうね。
小春

 

この記事を読むと、この意味がわかる!

  • 変曲点を調べる意味
  • グラフの曲がり方を正確に、かつ簡単に知るテクニック

 

1階微分の弱点

 

数Ⅱで学んだ増減表では、カーブする地点で接線の傾きの正負が切り替わることに着目して、グラフのおおよその形を把握することができました。

しかしこの方法には、1つだけとんでもない弱点があるのです。

 

それは与えられた方程式が未知の場合は、使い物にならないということです。

 

増減表を元に書いたグラフはこれまで3次関数や4次関数程度ではないでしょうか。

これらはあらかじめグラフの形がわかっているので、増減表を見ておおよそこの形になるだろう推察すいさつできます。

$$x$$ $$\cdots$$ $$a$$ $$\cdots$$ $$b$$ $$\cdots$$
$$y'$$ $$+$$ $$0$$ $$-$$ $$0$$ $$+$$
$$y$$ $$\nearrow$$ $$f(a)$$ $$\searrow$$ $$f(b)$$ $$\nearrow$$
三次関数であるという前提があれば・・・
増減表をもとに書いた三次函数

 

ですが未知の方程式の場合、同じ増減表ができても、カーブの仕方によって様々なグラフが考えられます。

 

 同じ増減表でも曲がり方のバリエーションは色々

小春
確かに増減表と一致しているね・・・。
つまり増減表を書いても、どんなグラフになるかわからないというわけ。

 

グラフの曲がり方は4パターン

 

そこでまず重要になるのが、一体グラフの曲がり方は何パターンあるのか、です。

 

結論から言うと4パターン

それぞれの特徴を見ていきましょう。

ちなみに名前は僕が勝手につけたやつだよ笑

 

【値の増加を表すカーブ】

【\(\infty & 0\)型】

接線の傾きは常に正の値を取り、次第に0に近づくように緩やかになる。

グラフの曲がり方①   

$$f’(x)\underset{x \to a}{\longrightarrow}  \infty $$

$$f’(x)\underset{x\to b}{\longrightarrow}  0 $$


【\(0 & \infty\)型】

接線の傾きが0をスタートして、どんどん大きくなる。

 グラフの曲がり方②

$$f’(x)\underset{x \to a}{\longrightarrow}  0 $$

$$f’(x)\underset{x\to b}{\longrightarrow}  \infty $$

 

【値の減少を表すカーブ】

【\(-\infty & 0\)型】

接線の傾きは常に負の値を取り、それがだんだんと0に近づくように緩やかになる。

グラフの曲がり方④

$$f’(x)\underset{x \to a}{\longrightarrow}  \infty $$

$$f’(x)\underset{x\to b}{\longrightarrow}  0 $$


【\(0 & -\infty\)型】

接線の傾きが0をスタートして、どんどん小さく、つまり負の方向に大きくなる。

グラフの曲がり方③

$$f’(x)\underset{x \to a}{\longrightarrow}  0 $$

$$f’(x)\underset{x\to b}{\longrightarrow}  -\infty $$

 

曲がり方を調べる2通りの方法

それでは未知の方程式だけ与えられた場合、2点を結ぶ曲線が上記4パターンのどれに該当するのか調べる方法をご紹介します。

結論から言うと、2階微分するか極限を調べるかの2タイプしかありません。

 

2階微分を調べる

あるグラフに対して、微分した値、つまり導関数は接線の傾きを表していました。

では2階微分は何を表すのでしょうか。

 

簡単に言ってしまえば接線の傾きの未来を表します。

2階微分の値が

  • 正であれば、接線の傾きが増加傾向
  • 負であれば、接線の傾きが減少傾向

ということになります。

 

例えば2階微分の値が正であるとき、曲がり方は次の2つに絞られます。

グラフの曲がり方④ 
グラフの曲がり方②

 

小春
確かに接線の傾きが、どちらも増加しているね。

 

ここでさらに1階微分の値が正であれば

グラフは増加傾向にあり、かつ接線の傾きは増加傾向

なので、こちらに絞られます。

グラフの曲がり方②

 

一覧で簡単に示すと、このような感じです。

カーブの仕方一覧

1階微分の符号 $$+$$ $$-$$ $$+$$ $$-$$
2階微分の符号 $$-$$ $$+$$ $$+$$ $$-$$
グラフのカーブの仕方
この表は暗記するのではなく、「なぜそのカーブを表すのか」をしっかりと理解しておこう!

 

例題

1階微分の値が正、2階微分の値が負のときはどのような曲がり方をするでしょうか。

 

2階微分の値が負のとき、考えうる曲がり方は次の2通り。

グラフの曲がり方①
グラフの曲がり方③

 

1階微分が正なので、

グラフは増加傾向にあり、かつ接線の傾きは減少傾向

なので、この曲がり方で確定です。

グラフの曲がり方①

 

極限を調べる

 

先ほど曲がり方4つの型を紹介しました。

そのときに接線の傾き\(f’(x)\)が端点\(a\)や\(b\)に近づくとき、どのような極限値になるのかを同時に記載しましたね。

 

要はこの極限を調べれば、曲がり方はわかります

具体的な問題で見てみましょう。

 

例題

\(y=\tan x\)のグラフを\(-\frac{\pi}{2}≦x≦\frac{\pi}{2}\)の範囲で描け。ただし\(y'=\frac{1}{\cos^2 x}\)は認めて良い。

 

$$\left. \begin{array}{l} y' \underset{x\to -\frac{\pi}{2}}{\longrightarrow} \infty \\ y' \underset{x\to -0}{\longrightarrow} 1 \end{array} \right\} 【\infty & 1】$$
$$\left. \begin{array}{l} y' \underset{x\to +0}{\longrightarrow} 1 \\ y' \underset{x\to \frac{\pi}{2}}{\longrightarrow} \infty \end{array} \right\} 【1 & \infty】$$
小春
必ずしも\(0\)か\(\infty\)なわけではないんだね。
そう、ごくたまに\(y=x\)のような具体的な接線に近づくことがあるよ。

 

よって、次のようなことがわかる。

\(y=\tan x\)のグラフは\(x=0\)に近づくほど接線の傾きが1に近づき、

  • \(-\frac{\pi}{2}\)に向かうほど、接線の傾きが大きくなる
  • \(\frac{\pi}{2}\)に向かうほど、接線の傾きが大きくなる

 

よってグラフは次のようになる。

極限を用いたタンジェントのグラフ
小春
ほんとだ!原点付近はほぼ\(y=x\)と重なるね!

 

2つの手法の使い分けかた

 

この2つの手法には、それぞれ適した場面があります。

 

【2階微分を使う手法】

  • 変曲点のあるグラフを描く
  • 極限を求めようにも複雑で、微分したほうが早い

 

特に、変曲点と呼ばれる曲がり方が突然変わる点は、2階微分の方が求めやすいということを押さえましょう。

変曲点の存在は2階微分の方が有利
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【極限を使う手法】

  • 極限の計算の方が、2階微分より手間でない
  • 媒介変数表示のグラフを描く

特に媒介変数表示で表されたグラフは、この極限を使う手法の方が圧倒的に早く、簡単です。

2階微分を使ってできないことはないですが、恐ろしくめんどくさい微分をする必要があります。

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まとめ

最後にまとめをしましょう。

 

まとめ

2点を結ぶグラフの曲がり方には、

  • 【\(\infty & 0\)型】
  • 【\(0 & \infty\)型】
  • 【\(-\infty & 0\)型】
  • 【\(0 & -\infty\)型】

の4通りがあるが、ごくまれに具体的な接線の傾きに近づく。

変曲点を求めるためには、2階微分を用いれば良い。

媒介変数表示のグラフを描くためには、極限を用いれば良い。

 

今回はグラフの曲がり方という、みんな知らないけど超重要な観点についてお話ししました。

この感覚が身についていると、「グラフを描け」問題はマジで簡単になります。

 

公式暗記や小手先だけのテクニックではなく、本当の意味をしっかり理解しておきましょう。

 

以上、「グラフの曲がり方」についてでした。

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