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陰関数の接線は、
- 陰関数の微分法を用いて傾きを求め、
- 平行移動をすれば良い。
複雑な方程式を持つ図形の接線を求めるためには、陰関数の微分法に帰着させた方が良い、マジで
この記事を読むと、この問題が簡単にわかる!
- 円\((x-2)^2+(y+1)^2=1\)において\(x=\frac{3}{2}\)のときの接線を求めよ。
Contents
陰関数の接線 基本例題
結論から言うと、陰関数だからと言って接線の求め方はこれまで通り、
です。
例題
陰関数\(f(x,y) = x^2-xy-1=0\)の点\(\left(1,0\right)\)における接線の方程式を求めよ。
STEP1 微分する
陰関数の微分法より、両辺\(x\)について微分すると
より、
STEP2 傾きを求める
よって、\(\left(1,0\right)\)における接線の傾きは
STEP3 平行移動する
\(\left(1,0\right)\)を通るように\(y=2x\)を平行移動させて、
陰関数にあえて持ち込むテクニック
陰関数そのものが問題として出題されるよりも、解法として陰関数を利用したほうが便利なことの方が多いです。
そこで、「陰関数にあえて持ち込むというテクニック」をご紹介しますね。
例題
楕円\(\frac{1}{3}x^2 + \frac{1}{4}y^2 = 1\)の点\(\left(1, -\frac{2}{3}\sqrt{6}\right)\)における接線の方程式を求めよ。
陰関数\(f(x,y) = \frac{1}{3}x^2 + \frac{1}{4}y^2 -1 = 0\)について考える。
この陰関数を両辺\(x\)について微分すると、
よって、
点\(\left(1, -\frac{2}{3}\sqrt{6}\right)\)における接線の傾きは、次のようになる。
以上より、接線の方程式は点\(\left(1, -\frac{2}{3}\sqrt{6}\right)\)を通るように\(y=\frac{\sqrt{6}}{3}x\)を平行移動すれば良いので、
参考陰関数って何?って質問に全力で答えてみた【関数だけど関数じゃない】
【めんどくさっ】凡人のする解法
楕円の方程式を関数で表すと、 \(\frac{1}{4}y^2 = 1-\frac{1}{3}x^2\)より、
接点は第4象限に属するため、\(0<x, y<0\)の時を考えれば良い。
よって、
$$y = - 2\sqrt{1-\frac{1}{3}x^2}$$
このとき、
よって、点\(\left(1, -\frac{2}{3}\sqrt{6}\right)\)における接線の傾きは、
以上より、接線の方程式は点\(\left(1, -\frac{2}{3}\sqrt{6}\right)\)を通るように\(y=\frac{\sqrt{6}}{3}x\)を平行移動すれば良いので、
まとめ
まとめ
陰関数の接線は、
- 陰関数の微分法を用いて傾きを求め、
- 平行移動をすれば良い。
複雑な方程式を持つ図形の接線を求めるためには、陰関数の微分法に帰着させた方が良い、マジで
限られた試験時間の中で、微分に時間をかけることは正直愚かです。
微分はあくまで接線の傾きや増減表などに使うための道具であり、「微分しておしまい!」となるほど難しいものではありません。
ぜひ効率的に導関数や微分係数を求められるようになりましょう!
以上、「陰関数の接線の求め方」についてでした。
チェック問題
例題
円\((x-2)^2+(y+1)^2=1\)において\(x=\frac{3}{2}\)のときの接線を求めよ。
はい、3STEPやりますよ。いつも通りですね。眠いですね。
陰関数\(f(x,y) = (x-2)^2+(y+1)^2-1 =0\)について考える。
step
1導関数を求める
両辺\(x\)について微分すると、
(※見切れている場合はスクロール)
より\(\frac{dy}{dx}=-\frac{x-2}{y+1}\)
step
2微分係数を求める
与式より\(x=\frac{3}{2}\)のとき、\(y=\frac{-2\pm\sqrt{3}}{2}\)
よって微分係数は、
- \(x=\frac{3}{2},\ y=\frac{-2 + \sqrt{3}}{2}\)のとき、$$-\frac{\frac{3}{2}-2}{\frac{-2+\sqrt{3}}{2}+1} = \frac{1}{\sqrt{3}}$$
- \(x=\frac{3}{2},\ y=\frac{-2 - \sqrt{3}}{2}\)のとき、$$-\frac{\frac{3}{2}-2}{\frac{-2-\sqrt{3}}{2}+1} =- \frac{1}{\sqrt{3}}$$
step
3平行移動
以上より、
\(y=\frac{1}{\sqrt{3}}x\)を\(\left(\frac{3}{2}, \frac{-2 + \sqrt{3}}{2}\right)\)を通るように平行移動した直線と、
\(y=-\frac{1}{\sqrt{3}}x\)を\(\left(\frac{3}{2}, \frac{-2 - \sqrt{3}}{2}\right)\)を通るように平行移動した直線が接線となる。
よって、求める接線の方程式は