文系微分

【増減表】なんでy'=0を調べるの?グラフの描き方と弱点

増減表基礎

Today's Topic

増減表を描くためには、

  • 導関数を求め、微分係数の正負が切り替わる\(x\)の値を探し、
  • 右肩上がりか、右肩下がりなのかを書き加え、
  • 値を埋めていけば良い。

 

今日はグラフを描く上で重要になる『増減表』について話すね!
増減表ってそんなに難しい内容かな?
小春
難しくはないと思うけど、大事な点がいくつかある。弱点も理解しておくといいね。

 

この記事を読むと、この意味がわかる!

  • 増減表を描く最速の方法
  • 増減表の弱点

 

増減表とは

増減表は、曲線のグラフを描く際に使われる、グラフの変化を簡略的に表した表のことです。

 

曲線のグラフを描く際に重要なことは、

  • どの地点でカーブするのか
  • どのようにカーブするのか

の2点。

増減表は、微分係数(接線の傾き)を用いて『どの地点でカーブするのか』は評価することができます。

小春
ん?『どのようにカーブするのか』は?
そこが弱点なんだ、あとで話すね!

 

増減表とグラフ

まず例として、次の2次関数を考えてみましょう。

 

例題

$$y=-x^2+3$$

放物線の増減表

 

この二次関数の増減表は下記のようになります。

$$x$$ $$\cdots$$ $$0$$ $$\cdots$$
$$y'$$ $$+$$ $$0$$ $$-$$
$$y$$ $$\nearrow$$ $$3$$ $$\searrow$$

 

増減表とグラフを見比べてみると、あることに気がつきます。

それは・・・。

 

微分係数\(f’(a)\)の符号が切り替わる点でU字カーブしている

ということ。

増減表だと\(x=0\)の地点で微分係数の符号が切り替わっていることがわかるね。
実際グラフを見ても、\(x=0\)でグニャリとカーブしているね!
小春

 

では、なぜこの地点でカーブするのでしょうか。

 

\(y'\)は微分係数、つまりその点における接線の傾きを意味していました。

つまり、\(y'=0\)とは、傾き0(\(x\)軸と平行)の直線になっているということを表します。

 

また、増減表の\(y'\)の行を見ると

  • \(x<0\)の間の\(y'\)は正→\(x<0\)の間は接線の傾きが+
  • \(x>0\)の間の\(y'\)は負→\(x>0\)の間は接線の傾きがー

ということもわかります。

 

つまり増減表を見るだけで、グラフは\(x\)の値が大きくなると、接線が

昇る→平らになる→降る

増減表の微分係数が0の点でカーブする

という動きをしていることがわかります。

 

これにより、増減表だけで、\(y=x^2+3\)は(微分係数の正負が入れ替わる)\(x=0\)を境にカーブしていることがわかるのです。

小春
つまりその増減表さえ書けるようになれば、グラフが描けるようになるってことね!

 

ちなみにカーブの境となっている\(x=0\)のような点のことを、極値きょくちといいます。

極値は曲線のグラフであれば必ず存在するわけではなく、しっかりとチェックする必要があります。

それについては、こちらの記事でご紹介します。

【極大値・極小値】定義と求め方→最大値・最小値とは求め方が異なる!

続きを見る

 

増減表の書き方

 

次のステップで増減表を書くと、最短でグラフの概形がいけいを求めることができます。

次の例題をもとに増減表を描いてみましょう。

 

例題

$$y=3x^3-x+1$$

 

STEP1:導関数\(f’(x)\)を求め、\(f’(x)=0\)を満たす\(x\)の値を調べる

 

これにより、極値がわかります。
\(y' = 9x^2-1\)なので、\(y'=0\)となるのは\(x=\pm \frac{1}{3}\)のときです。

 

STEP2:増減表に定義域と\(f’(x)=0\)を満たす\(x\)の値をかき、間に\(\cdots\)を挟む

 

この段階までで、次のような増減表が描けます。

$$x$$ $$\cdots$$ $$-\frac{1}{3}$$ $$\cdots$$ $$\frac{1}{3}$$ $$\cdots$$
$$y'$$   $$0$$   $$0$$  
$$y$$          
今回は定義域が特に定まっていないので、\(x\)行の両端は\(\cdots\)で表現するよ!

 

STEP3:\(\cdots\)のときの微分係数の正負を調べて\(f’(x)\)の行に書き、\(y\)の行に「右肩上がり」・「右肩下がり」を矢印で描く。

 

この手順で、どこでグラフがカーブしているのかがおおよそわかります。

$$x$$ $$\cdots$$ $$-\frac{1}{3}$$ $$\cdots$$ $$\frac{1}{3}$$ $$\cdots$$
$$y'$$ $$+$$ $$0$$ $$-$$ $$0$$ $$+$$
$$y$$ $$\nearrow$$   $$\searrow$$   $$\nearrow$$
小春
この時点でおおよそのグラフなら描けるね!

 

STEP4:値が求められるなら、穴埋めする

 

残りの空白の部分を計算して埋めていきます。

$$x$$ $$\cdots$$ $$-\frac{1}{3}$$ $$\cdots$$ $$\frac{1}{3}$$ $$\cdots$$
$$y'$$ $$+$$ $$0$$ $$-$$ $$0$$ $$+$$
$$y$$ $$\nearrow$$ $$\frac{11}{9}$$ $$\searrow$$ $$\frac{7}{9}$$ $$\nearrow$$
計算が相当めんどくさかったりしたら、省いてもOKな気がする・・・。

 

完成!

 

完成図(小春作)

増減表をもとに書いたグラフ

小春
こんな感じでいいの?
最高!座標の位置とか細かいことは気にしなくてもOKだよ

 

【実際のグラフ】

増減表をもとに書いたグラフ

 

増減表の注意点

 

さて、このように便利な増減表ですが、あまり教えられることのない弱点がいくつか存在します。

ここから先、文系さんは理由は飛ばしてOK。
結論だけは覚えておいた方がいいのね。
小春

 

次の例題を参考に解説しますね。

 

例題

\(-2≦x≦2\)における\(y=x^3-1\)のグラフを描け。


(増減表)

$$x$$ $$\frac{1}{2}$$ $$\cdots$$ $$0$$ $$\cdots$$ $$-\frac{1}{2}$$
$$y'$$ $$×$$ $$+$$ $$0$$ $$+$$ $$×$$
$$y$$ $$-\frac{9}{8}$$ $$\nearrow$$ $$-1$$ $$\nearrow$$ $$-\frac{7}{8}$$

(グラフ)

増減表の注意点

 

注意1:端点では微分不可

 

増減表の\(x=\pm\frac{1}{2}\)のとき、\(y'\)の行にバツがついていますね。

このバツは書かなくてOKなのですが、なぜバツなのかはしっかり理解する必要があります。

 

ここで重要なのは微分(導関数)の定義。

$$\lim_{h\to0} \frac{f(x+h)-f(x)}{h}$$

 

 

詳しくは微分可能の定義で扱いますが、この極限の値が存在するのは、右極限と左極限の値が一致するときだけ

しかし、端点ではそれより前、もしくは先の点の存在を考えることができません。

 

つまり

  • \(x=-\frac{1}{2}\)では右極限を考えることができない
  • \(x=\frac{1}{2}\)では左極限を考えることができない

ため、微分可能ではないのです。

短点は微分不可能

 

注意2:曲がり方がわからない

 

下のように、離れた2点を想像してください。

2つの点

 

点Aと点Bを結ぶとき、結び方には次の3種類があります。

グラフの変化の仕方

 

曲線の例で言えば、図の緑色とオレンジの曲がり方がありますね。

しかしながら増減表では、このどちらの曲がり方をするかはわかりません

小春
確かに\(\nearrow\)とか、\(\searrow\)を使って増えるか減るかだけを表してるもんね。
そうなんだ。曲線を描く上で大事な『どのようにカーブするのか』がわからないのは大問題だけどね・・・。

 

曲がり方まで考慮した、より正確なグラフを描くためには、カーブの仕方まで正確に知る必要があり、それは数Ⅲの2階微分を利用した変曲点の話になります。

 

しかし方程式にはある程度グラフの形が決まっており、「三次関数だからこのカーブの仕方をするだろう」という憶測でグラフを描くことになります。

だからグラフの概形をあらかじめ覚えておくのはかなり大事!

 

まとめ

最後にまとめるよ!

 

まとめ

増減表は、接線の傾きに着目してグラフの概形を把握しようとしている。

微分係数の正負が切り替わる点で、グラフはカーブする。

増減表を描くためには、

  • 導関数を求め、微分係数の正負が切り替わる\(x\)の値を探し、
  • 右肩上がりか、右肩下がりなのかを書き加え、
  • 値を埋めていけば良い。

 

今回は増減表について扱いましたが、弱点があるという認識が重要

数Ⅱで扱うグラフは三次関数や、四次関数程度なので、グラフの概形を覚えておけば問題ありません。

 

しかし数Ⅲや大学数学で登場するような、複雑な方程式などは一体どんな形をするのか見当もつきません。

数Ⅲでは増減表の弱点を、「変曲点」と呼ばれるもので補います。

増減表だけで完璧なグラフが書けるわけじゃないってのは知っておきましょう!

 

以上、「増減表の描き方と弱点」についてでした。

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