Today's Topic
$$S=\int_a^b \left(f(x)-g(x)\right)dx$$
この記事を読むと、この意味がわかる!
- 囲まれた面積を求める際に必要なイメージ
- \(x\)軸と曲線で囲まれたグラフの考え方
Contents
2つのグラフで囲まれた面積
2つのグラフで囲まれた図形の面積を考えるためには、まずそれぞれの面積を求めるところから始めます。
STEP1. \(f(x)\)が\(a≦x≦b\)で作る面積
定積分が面積を表す理由で紹介した通り、一般に
$$S=\int_0^a f(x) dx$$
が成り立ちます。
これをもとに考えると、
$$S_1 = \int_0^b f(x) dx$$
$$S_2 = \int_0^a f(x) dx$$
の2つから、\(f(x)\)が\(a≦x≦b\)で作る面積\(S_f\)は
$$S_f = \int_0^b f(x) dx - \int_0^a f(x) dx$$
で求められることがわかります。
また、定積分の計算公式から
とまとめられることもわかります。
STEP2. \(g(x)\)が\(a≦x≦b\)で作る面積
\(g(x)\)が\(a≦x≦b\)で作る面積を\(S_g\)とします。
\(f(x)\)が作る面積\(S_f\)と同様に考えると、
$$S_g = \int_a^b g(x) dx$$
となりますね。
STEP3. 大きい面積ー小さい面積
見た目で分かる通り、\(S_f\)の方が\(S_g\)よりも大きくなりますね。
よって区間\(a≦x≦b\)において\(f(x)\)と\(g(x)\)で囲まれた面積\(S\)は
$$S = S_f - S_g $$
で求められます。
インテグラルの式に直して考えてみると、定積分の計算法則より次のような変形ができます。
\(x\)軸との面積
以上のように、区間\(a≦x≦b\)における2つのグラフで囲まれた面積は
と考えることができるので、次のように考えることができます。
\(x\)軸よりも上のグラフ
上のような図の場合、\(x\)軸の方が\(y=f(x)\)よりも下にあります。
この面積\(S\)は、\(x\)軸は\(y=0\)と表すことができたので、
(※見切れている場合はスクロール)
と考えることができます。
\(x\)軸よりも下のグラフ
上のような図の場合、\(x\)軸の方が\(y=f(x)\)よりも上にあります。
この面積\(S\)は、\(x\)軸は\(y=0\)と表すことができたので、
(※見切れている場合はスクロール)
と考えることができます。
まとめ
まとめ
- 2つのグラフで囲まれる面積を求めるためには、その区間で上にあるグラフ\(y=f(x)\)と下にあるグラフ\(y=g(x)\)に着目して、『\(f(x)\)が\(x\)軸と作る面積』ー『\(g(x)\)が\(x\)軸と作る面積』を考えればOK。
- この計算は$$\int_a^b \left(f(x)-g(x)\right)dx$$のようにまとめることができる。
この大きい面積から小さい面積をひく、といういっけん簡単に聞こえる当たり前の行動。
このイメージがあるかないかで計算スピードが大きく変わります。
練習問題などでも、ぜひ「どの面積からどこを引いているのかな?」と考えてみて下さい。
以上、「囲まれた面積の求め方について」でした。
チェック問題
例題
2つの放物線\(y=x^2-2x,\ y=-x^2+3x\)と直線\(x=1,\ x=2\)で囲まれた部分の面積\(S\)を求めよ。
(解答)
グラフを考えてみると、区間\(1≦x≦2\)では\(y=-x^2+3x\)の方が上に位置する。
よって、
(※見切れている場合はスクロール)
例題
3次関数\(y=x^3-3x^2+2x\)が区間\(0≦x≦2\)において、\(x\)軸となす面積\(S\)を求めよ。
(解答)
グラフを考えると、
- 区間\(0≦x≦1\)では曲線のほうが、\(x\)軸よりも上に位置している
- 区間\(1≦x≦2\)では曲線のほうが、\(x\)軸よりも下に位置している
ことがわかる。
なので、区間ごとに分けて
(※見切れている場合はスクロール)