Today's Topic
$$\int_a^b f(x) dx = F(b)-F(a)$$
この記事を読むと、この意味がわかる!
- 定積分と不定積分の違い
- 定積分の意味しているもの
定積分とは
まずは不定積分から考えていきます。
関数\(x^2\)の原始関数は、全て
という形で表すことができました。
一般に定数部分\(C\)がどんな数でもOKなので、不定積分によって求めた原始関数は無数に定まることになります。
では原始関数\(F(x)=\frac{1}{3}x^3+C\)について、\(F(3)-F(1)\)の値はどうなるか考えてみましょう。
(※見切れている場合はスクロール)
このように、関数\(f(x)\)の原始関数の1つである\(F(x)\)に対し、適当な値\(a,b\)を用いた
は、どんな原始関数\(F(x)\)を選んでも、\(C\)が相殺するため1つに定まります。
不定積分の解は無数に定まるのに対して、\(F(b)-F(a)\)の値は1つに定まる特殊性から、
と表現することにし、これを定積分と呼ぶようになりました。
またこのときの\(a\)を下端、\(b\)を上端といいます。
加えて、数学では
のように表すことが多々ありますので、覚えておきましょう。
定積分の解き方
ここでは定積分の解き方を、紹介します。
「もう、こうやれば解が求められるよ」と言えるくらい、簡単な手順に落とし込んだので参考までに。
例題
$$\int_0^2 7x^3 dx$$
STEP1. 不定積分を解いて、原始関数を見つける
定積分の定義を見ても分かるとおり、原始関数\(F(x)\)が見つからなければ何も始まりません。
そこでまずは、不定積分
を解きます。
不定積分の解き方で紹介した手順通りにやります。
-
STEP1原始関数を適当に見つける微分して\(7x^3\)に近い形になるものを探します。
今回は\(x^4\)が当てはまりそうです。 -
STEP2係数の調整ところが、\(x^4\)は微分すると\(4x^3\)となります。
\(7x^3\)と見比べると、\(\frac{7}{4}\)倍してあげれば良さそうです。 -
STEP3積分定数をくっつける最後に積分定数を忘れずにくっつけて
$$\int 7x^3 dx = \frac{7}{4}x^4 +C$$
楓最後に\(\frac{7}{4}x^4\)を微分して\(7x^3\)になることを確認しておこう!
STEP2. 原始関数に代入する
求めた原始関数\(F(x) = \frac{7}{4}x^4 +C\)に上端2、下端0を代入すればおしまいです。
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積分定数\(C\)は消えることがわかっているので、書かなくてもOKです。
定積分の意味
さて、ここまで考えてきた定積分には大きな意味があります。
「不定積分は微分の逆の演算である」という位置付けでしたが、定積分には面積という意味合いが出てきます。
もっと詳しく紹介すると、定積分
は下の図の斜線部の面積を求めることができます。
この理由については、こちらの記事で詳しく解説しますね。
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【区分求積法】なぜ定積分は面積を表すの?文理どっちでも理解できるよう優しく解説
続きを見る
まとめ
まとめ
定積分の値を求めるためには、
- 不定積分を解き、原始関数を適当に1つ求め、
- 上端と下端の値を代入して、引けば良い。
不定積分は無数の解が定まるが、定積分は唯一1つに定まる。
不定積分は微分の逆演算、定積分は面積という意味合いが強い。
定積分は不定積分とあまり変わらない手法で求められますが、意味合いは若干異なります。
まずはしっかり計算できるようになり、その上で意味を理解すると理解度が早いと思います。
まずは計算問題に取り組んで、計算に慣れるのがベストですよ!
以上、「定積分について」でした。
チェック問題
例題
$$\int_1^3 2x^3 dx$$
(解答)
まずは不定積分
$$\int 2x^3 dx$$
から考えます。
微分して\(x^3\)になるような関数は\(x^4\)が当てはまります。
\((x^4)'=4x^3\)より、係数を見比べると\(\frac{1}{2}\)倍してあげれば良さそうです。
よって、
$$\int 2x^3 dx=\frac{1}{2}x^4 +C$$
これにより、
\begin{align} \int_1^3 2x^3 &= \left[\frac{1}{2}x^4\right]_1^3\\\ &= \frac{1}{2}\left(3^4 - 1^4\right)\\\ &= 40 \end{align}
例題
$$\int_2^3 (x^2-x+1)dx$$
(解答)
まずは不定積分
$$\int (x^2-x+1)dx$$
を求めましょう。
不定積分の計算法則から、
(※見切れている場合はスクロール)
よって、
(※見切れている場合はスクロール)
気付いたかもしれませんが、不定積分の計算法則と同様に、定積分のインテグラルでも「インテグラルの分配法則」が成り立ちます。
これについては、こちらの記事で解説します。
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【定積分の計算公式】抑えておきたい5つの公式とその証明→原始関数に戻せばOK
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