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2つの関数\(F(x),f(x)\)が\(F'(x) = f(x)\)のような関係にあるとき
$$\int f(x)\ dx = F(x) +C \ (Cは積分定数)$$
この記事を読むと、この意味がわかる!
- 積分とは何か
- 不定積分を求めるコツ
Contents
積分は微分の逆演算
足し算の逆は引き算。
掛け算の逆は割り算。
それと同じように、微分の逆が積分と考えてもらえればOK。
$$4\overset{\times2}{\underset{\div2}{\rightleftharpoons}} 8$$
$$x^2\overset{微分}{\underset{積分}{\rightleftharpoons}} 2x$$
原始関数と積分定数
関数\(F(x)\)を微分すると\(f(x)\)になる、つまり
が成り立つとき、関数\(F(x)\)を原始関数と言います。
例えば、\(3x^2\)の原始関数は、何があるでしょうか。
ここで注意して欲しいのは、原始関数は1通りではないということ。
実は\(3x^2\)の原始関数は\(x^3\)だけでなく、\(x^3+3\)や\(x^3-\frac{1}{2}\)などもあります。
\((x^3+3)' = 3x^2\)
\((x^3-100)' = 3x^2\)
\((x^3+\frac{1}{2})' = 3x^2\)
しかしこれらの違いは、\(x\)を含まない定数の部分だけ。
つまり原始関数\(F(x)\)を1つ求めることができてしまえば、\(f(x)\)の全ての原始関数は
の形で表すことができます。
そこでこの定数部分をよく積分定数\(C\)と表して、関数\(f(x)\)の原始関数を
と表現します。
この表現方法は不定積分と呼ばれ、不定積分を求めることを積分すると呼びます。
数学の言葉では、「\(f(x)\)を積分する」というのを\(\int f(x) dx\)と表すので、以下のようにまとめられます。
ポイント
\(F'(x)=f(x)\)のとき、
$$\int f(x) dx = F(x) +C (Cは積分定数)$$
ちなみに\(\int\)のことをインテグラルと呼びますが、これは足し算を意味するsumや\(\Sigma\)の頭文字Sを縦に伸ばしたものです。
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【区分求積法】なぜ定積分は面積を表すの?文理どっちでも理解できるよう優しく解説
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ここまでをまとめると、次のようなことがわかりますね。
不定積分の求め方
例題
関数\(f(x)=3x^4\)の不定積分
$$\int f(x) dx$$
を求めよ。
このような問題が出題されたとき、「要は微分して\(f(x)\)になるような関数を見つければいいのね。」と考えればOKです。
とはいえ、少しコツがあるのでステップに分けてご紹介します。
STEP1. 原始関数(?)を適当に見つける
注意
このステップは徹底して慣れるようにして下さい!
「微分して\(f(x)\)になるような関数」を見つけるスピードは、テストの点数だけでなく、今後の積分のスキルに直接響きます。
まずは係数をガン無視して、「何を微分したら\(3x^4\)に近い形になるかなぁ」ということを考えます。
微分公式の中に、
$$x^n = nx^{n-1}$$
というものがありましたね。
これを考えると、\((x^5)'=5x^4\)なので\(x^5\)が適切ですね。
STEP2. 係数の調整
STEP1ではあくまで『微分すると\(3x^4\)に近くなる』関数を探しました。
もちろん\(x^5\)を微分すると\((x^5)'=5x^4\)なので、係数の調整が必要です。
\(5x^4\)は\(3x^4\)と見比べると、\(\frac{1}{5}\)かけて3倍してあげればいいですね。
つまり
と考えられますね。
STEP3. 積分定数をくっつける
原始関数が1つ見つかったので、あとは積分定数を付け足してあげましょう。
メモ
この積分定数は、「別に意味のない慣習的なところもあるから書かなくていいんじゃないか」という風潮も一部では見受けられます。
しかし採点者は答案用紙に書かれたことでしか、あなたの理解度を評価することはできません。
つまり「わかってて書かなかった」は「わからなくて書けなかった」とおなじに見えてしまうということ。
意図しない減点を食らうリスクを背負うよりも、慣習だろうがなんだろうが積分定数は書くようにした方がいいでしょう。
まとめ
まとめ
不定積分\(\int f(x) dx \)を求めるためには、
- 微分して\(f(x)\)になるような関数を考え、
- 係数を調節し、
- 積分係数を加えてあげれば良い。
\(f(x)\)を積分するとは、微分すると\(f(x)\)になるような原始関数を求めることである。
不定積分を考えるときは、この3ステップを徹底してやってあげて下さい。
特に理系に進むのであれば、このステップを無意識でできるかどうかが重要になります。
今のうちにゴリゴリ練習して慣れておきましょう!
以上、「不定積分」についてでした。
チェック問題
例題
$$\int -2x^7 dx$$
微分して\(x^7\)になる関数は\(x^8\)。
\((x^8)'=8x^7\)より、\(-2x^7 \)と見比べると係数を\(-\frac{1}{4}\)倍すれば良い。
よって
$$\int -2x^7 dx=-\frac{1}{4}x^8 +C$$
例題
$$\int 4x^3 dx$$
微分して\(x^3\)になる関数は\(x^4\)。
\((x^4)'=4x^3\)より、インテグラルの中身と一致するため係数の調整は必要ない。
よって
$$\int 4x^3 dx=x^4 +C$$