Today's Topic
\(F'(x)=f(x), G'(x)=g(x)\)のとき、
$$\int 1 dx = x+C$$
$$\int kf(x)dx = k\int f(x)dx$$
$$\int\left(f(x)\pm g(x)\right)dx = \int f(x)dx\pm \int g(x)dx$$
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ただし\(k\)は定数、\(C\)は積分定数


この記事を読むと、この意味がわかる!
- 積分の基本的な計算
- 積分が難しいワケ

1の不定積分
定数1の不定積分は次のように求められる。
ポイント
$$\int 1 dx = x+C$$
証明はとても簡単で、「微分して1になる関数って何かなぁ。」を考えるだけ。


\(\int 1dx\)を\(\int dx\)と表すことが多々ある。
定数倍された不定積分
\(F'(x)=f(x)\)とすると、関数\(kf(x)\)の不定積分は次のように求められます。
ポイント
\begin{align} \int kf(x)dx &= k\int f(x)dx\\\ &= kF(x)+C\\\ \end{align}
証明
関数\(kF(x)\)を微分すると、定数倍の微分公式より
となるため、\(kF(x)\)は\(kf(x)\)の原始関数の1つと言える。
不定積分は『原始関数+定数』の形で表せばよかったので、
これは
より、
であることを示している。
定数はインテグラルの外に出すことができる!
関数の和や差の不定積分
2つの関数\(f(x),g(x)\)の和\(f(x)+g(x)\)の不定積分では、次のことが成り立つ。
ポイント
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証明
関数の和\(F(x)+G(x)\)の微分は、和の微分公式から
となるため、\(F(x)+G(x)\)は\(f(x)+g(x)\)の原始関数の1つと言える。
不定積分は『原始関数+定数』の形で表せばよかったので、
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これは
(※見切れている場合はスクロール)
より、
(※見切れている場合はスクロール)
であることを示している。

インテグラルは、和と差の場合は分配できる!
【ここが山場】関数の積や商の不定積分
2つの関数が和や差で結ばれている場合、インテグラルを分配することができました。
では積や商の形で結ばれているものでも、同じように分配できるのでしょうか。
$$\int \frac{f(x)}{g(x)}dx =???$$
結論から言うと、積や商で結ばれている場合は分配できません!
積で結ばれている場合を考えてみましょう。
関数\(F(x)G(x)\)の微分は、積の微分公式から
となります。
つまり関数\(F(x)G(x)\)は\(f(x)g(x)\)の原始関数とはいえないため、
が成り立ちません。
これにより、
と言うことはできないのです。



積や商で結ばれた関数の積分は分配できません。いろいろな工夫が必要です。
まとめ

まとめ
インテグラルは
- 1を省略する
- 定数を外に出せる
- 和や差の場合は分配法則ライクに扱える
積分の単元では、『積分できる形』まで細かく分解したり、くっつけたりする必要があります。
今回のこの公式たちは、主に細かくするときに必須のテクニックになりますので、いろんな問題を解いて計算速度を上げておきましょう。
以上、「不定積分の計算法則について」でした。
チェック問題
例題
$$\int \left(x^2 + x\right)dx$$
(解答)

\begin{align} \int \left(x^2 + x\right)dx &= \int x^2 dx + \int x dx\\\ &= \frac{1}{3}x^3 + \frac{1}{2} x^2 +C\\\ \end{align}
例題
$$\int \left(2x^2+3x-4\right)dx$$
(解答)

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