Today's Topic
積分において、積→和の形に変形するためには
- 展開
- 部分分数分解
- 半角の公式など
- 有理化
などの手法がある。
この記事を読むと、この問題が解ける!
- $$\int (\sin x+ \cos x )^2dx$$
- $$\int \frac{x+1}{x^2+x-2}dx$$
積分の結合法則の制限
積分では、
(※見切れている場合はスクロール)
のように、2つの関数の和の積分では、インテグラルを分配することができます。
しかし
のような、2つの関数の積の積分では、インテグラルの分配法則は成り立ちません。
つまり、2つの関数の積で表されたものの積分をするときは、2つの関数の和に変形するテクニックが必要になってきます。
よく使う積→和のテクニック
今回紹介する基本的なテクニックは、次の4つ。
2つの関数の積を見たら、まずはこれらのテクニックで和の形に分解できるかどうかを試みてみましょう。
展開
例題
$$\int (x^2+1)^2dx$$
ぱっと見、一次式のカタマリ積分テクニックが使えそうですが、カタマリの中身が一次式ではないのでおとなしく展開するしかありません。。。
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部分分数分解
例題
$$\int \frac{1}{x(x+2)}dx$$
分母が積の形で表されている場合、部分分数分解が有効なことが多いです。
部分分数分解のやり方を復習しておきましょう。
-
STEP1とりあえず分ける$$\frac{1}{x(x+2)}=\frac{●}{x}+\frac{■}{x+2}$$
-
STEP2通分してみる$$\frac{●}{x}+\frac{■}{x+2}=\frac{●(x+2)+■x}{x(x+2)}$$
-
STEP31と2を比較して係数調整元の式の分子には\(x\)が含まれていないので\(●=1,■=-1\)で良さそう。
そのままだと分子が2になるので、\(\frac{1}{2}\)倍して調整。
$$\frac{1}{x(x+2)}=\frac{1}{2}\times \left(\frac{1}{x}+\frac{-1}{x+2}\right)$$
よって、
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半角の公式や2倍角の公式
例題
$$\int \sin^2 x dx$$
サインコサインは半角の公式や2倍角の公式、積和の公式など積→和に変形できる公式が豊富です。
そのため出題者も好んで出題していきますので、三角関数の公式はしっかり押さえておくようにしましょう!
半角の公式
$$\sin^2\theta = \frac{1-\cos2\theta}{2}$$
よって、
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有理化
例題
$$\int \frac{1}{\sqrt{x}+\sqrt{x+2}} dx$$
分数の約分と実質同じものである有理化も有効な積→和の変形手段になります。
分数だからといって部分分数分解と決め付けていると、逆に遠回りになりますのでご注意。
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まとめ
それでは最後にまとめます。
まとめ
積分において、積→和の形に変形するためには
- 展開
- 部分分数分解
- 半角の公式など
- 有理化
などの手法がある。
再度言いますが、これらは基本的なテクニックになります。
このほかにも積分する関数の特徴を捉えて、特殊な変形をするものがありますので、是非とも最後にまで気を抜かずにやり切りましょう。
以上、「積→和の積分基本テクニック」についてでした。
チェック問題
例題
$$\int (\sin x+ \cos x )^2dx$$
2倍角の公式を意識しつつ、おとなしく展開すると、
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例題
$$\int \frac{x+1}{x^2+x-2}dx$$
部分分数分解をすると、
$$\frac{x+1}{x^2+x-2} =\frac{\frac{1}{3}}{x+2}+\frac{\frac{2}{3}}{x-1}$$
よって、
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ひっかけ問題
例題
$$\int \frac{e^{2x}-1}{e^x-1}dx$$
\(e^{2x}-1=(e^x+1)(e^x-1)\)であることに着目すると、
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