学生の頃使いたかったサービス

【学生に戻れるなら使いたい】未来に必要な力が効率的に得られる!お得な優秀サービス

おすすめの数学参考書

【完全版】高校数学の勉強法とオススメの参考書をレベル別にまとめてみました。

極限

【不定形】種類・なぜ解にならないのか・回避方法をまとめました。

不定形の種類と意味、変形方法

Today's Topic

不定形には7つの種類があり、そのどれも式によって意味する値が変化するため、解としては無意味である。

不定形を避けるためには

  • 分母分子を共通の文字で割る
  • くくり出してみる
  • \(\frac{●}{●}=1\)をかけたり、\(■-■=0\)を加えてみる

などして、ゴミを作って必要な部分だけ残す作業をすればOK。

 

小春
楓くん、不定形って結局何種類あるの?
ん〜、7種類かなぁ。
小春
えぇ〜...。そもそもなんで不定形って何がダメなの?
答えのようで、実は何も言っていないってトコかな。
小春
うわぁ、もう全然わかんない泣 詳しく教えてよ!

 

この記事を読むと、この問題が解ける!

  • $$\lim_{n\to \infty} \frac{2n^2-5}{n+3}$$
  • $$\lim_{n\to \infty} \frac{\sqrt{n^2+n}+3n}{2n-1}$$

 

 

不定形とは【この7つには要注意】

 

不定形とは、

ポイント

  1. $$\frac{0}{0}$$
  2. $$\frac{\infty}{\infty}$$
  3. $$0\times \infty $$
  4. $$\infty - \infty$$
  5. $$1^{\infty}$$
  6. $$0^0$$
  7. $$\infty^0$$

の7つのことを言いいます。

 

極限を計算したときに、この7つのうちどれかに該当した場合、解としては無意味であることを意味しています。

なので極限の計算では、この不定形を避けるように式変形することが大切!

 

ここでは迷わないよう7つと紹介していますが、式変形をすると全て

$$\frac{0}{0}$$
$$\frac{\infty}{\infty}$$

の2つに帰着することができます。

 

なぜ不定形がダメなのか

 

ここでは不定形が、なぜ解としては無意味なのかを丁寧に解説していきます。

 

具体的に次の問題を考えてみましょう。

例題

$$\lim_{n\to \infty} \frac{n}{n}$$

 

分母も分子もともに\(\infty\)に近づくので、\(\frac{n}{n}\)は\(\frac{\infty}{\infty}\)に近づきます。

 

ところで、当然ですが\(\frac{n}{n}=1\)なので、

$$\lim_{n\to \infty} \frac{n}{n}=\lim_{n\to\infty} 1=1$$

より極限値は1のはず。

 

つまり

$$\frac{\infty}{\infty}=1$$

ということが言えるわけです。

 

では次の例題はどうでしょうか。

例題

$$\lim_{n\to \infty} \frac{n}{2n}$$

 

先ほどと同様に考えてみましょう。

 

分母も分子もともに\(\infty\)に近づくので、\(\frac{n}{2n}\)は\(\frac{\infty}{\infty}\)に近づきます。

当然ですが\(\frac{n}{2n}=\frac{1}{2}\)なので、

$$\lim_{n\to \infty} \frac{n}{2n}=\lim_{n\to\infty} \frac{1}{2}=\frac{1}{2}$$

より極限値は\(\frac{1}{2}\)のはず。

 

つまりここでは

$$\frac{\infty}{\infty}=\frac{1}{2}$$

ということが言えるわけです。

 

小春
あれ?同じ\(\frac{\infty}{\infty}\)なのに、1になったり、\(\frac{1}{2}\)になったりするの?!

 

このように、\(\frac{\infty}{\infty}\)は特定の値を表しているのではなく、式によってその意味が変わってしまいます

なので不定形、つまり何も定めていない数として呼び名がつきました。

他の不定形も同様に、答えが式によってコロコロ変わるんだ・・・。

 

不定形を回避する超便利変形

 

そのまま極限を考えると不定形になってしまうものでも、適切な式変形を施すと不定形を回避することが可能です。

ここでは、よくある「不定形を回避するための式変形」をご紹介します。

 

分母分子を割る

例題

$$\lim_{n\to \infty} \frac{n^2+3n}{2n^2+5}$$

 

そのまま極限を考えると、\(\frac{\infty}{\infty}\)の不定形になってしまいます。

 

 

そこで、分母分子を\(n^2\)で割ってみると

$$\frac{n^2+3n}{2n^2+5}=\frac{1+\frac{3}{n}}{2+\frac{5}{n^2}}$$
小春
分母分子を共通のもので割っても、値は変わらないんだったね。

 

ここで数列の極限の計算法則でも紹介した

 

\(a_n \underset{n\to \infty}{\longrightarrow} \alpha, b_n \underset{n\to \infty}{\longrightarrow} \beta\)のとき、

$$\lim_{n\to\infty} \frac{b_n}{a_n}=\frac{\beta}{\alpha}$$

 

を使いましょう。

 

すると、

\begin{align} \lim_{n\to \infty} \frac{n^2+3n}{2n^2+5} &= \lim_{n\to \infty} \frac{1+\frac{3}{n}}{2+\frac{5}{n^2}}\\\ &= \frac{\lim_{n\to \infty} \left(1+\frac{3}{n}\right)}{\lim_{n\to \infty}\left(2+\frac{5}{n^2}\right)}\\\ &= \frac{1}{2}\\\ \end{align}

 

くくりだす

例題

$$\lim_{n\to \infty} \left(3^n-2^n\right)$$

 

そのまま考えると\(\infty-\infty\)の不定形になってしまいます。

そこで今回もゴミを見つけるところから始めてみましょう。

 

試しに\(3^n\)でくくってみると、

$$\left(3^n-2^n\right)=3^n \left(1-\left(\frac{2}{3}\right)^n\right)$$

となります。

 

\(n\to\infty\)のとき、\(3^n \to \infty\)となり、\(\left(\frac{2}{3}\right)^n\to 0\)(ゴミ)となるので、

\begin{align} \lim_{n\to \infty} \left(3^n-2^n\right) &= \lim_{n\to \infty} 3^n \left(1-\left(\frac{2}{3}\right)^n\right)\\\ &= \infty \times 1 \\\ &= \infty\\\ \end{align}

となり、うまく不定形を避けることができました。

 

作り出す

例題

$$\lim_{n\to \infty} \left(\sqrt{n+1}-\sqrt{n}\right)$$

 

そのまま考えると、\(\infty-\infty\)の不定形になってしまいます。

 

そこで有理化を意識して、

$$\sqrt{n+1}-\sqrt{n}=\left(\sqrt{n+1}-\sqrt{n}\right) \color{red}{\times \frac{\sqrt{n+1}+\sqrt{n}}{\sqrt{n+1}+\sqrt{n}}}$$

(※見切れている場合はスクロール)

のように、式変形をしてみます。

小春
\(\frac{\sqrt{n+1}+\sqrt{n}}{\sqrt{n+1}+\sqrt{n}}=1\)だから、勝手に掛け算しても問題ないのね!

 

すると、

\begin{align} \lim_{n\to \infty} \left(\sqrt{n+1}-\sqrt{n}\right) &= \lim_{n\to \infty} \left\{\left(\sqrt{n+1}-\sqrt{n}\right)\color{red}{\times \frac{\sqrt{n+1}+\sqrt{n}}{\sqrt{n+1}+\sqrt{n}}}\right\}\\\ &= \lim_{n\to \infty} \left(\frac{1}{\sqrt{n+1}+\sqrt{n}}\right)\\\ &= \frac{1}{\infty}\\\ &= 0 \\\ \end{align}

(※見切れている場合はスクロール)

となり、不定形を回避できました。

 

まとめ

お疲れ様、まとめます!

 

まとめ

不定形には7つの種類があり、そのどれも式によって意味する値が変化するため、解としては無意味である。

不定形を避けるためには

  • 分母分子を共通の文字で割る
  • くくり出してみる
  • \(\frac{●}{●}=1\)をかけたり、\(■-■=0\)を加えてみる

などして、ゴミを作って必要な部分だけ残す作業をすればOK。

 

今回紹介した不定形の意味は、案外知っている人が少ないので、しっかりと意味を押さえておくとかっこいいですね。

また、不定形の回避方法も今回暑かった3つだけでなく、式によって様々な対処法があります。

基本として押さえておきましょう。

 

以上、「不定形について」でした。

 

チェック問題

 

例題

$$\lim_{n\to \infty} \frac{2n^2-5}{n+3}$$


(解答)

そのまま極限を求めると\(\frac{\infty}{\infty}\)の不定形になる。

そこで、分母と分子を\(n\)で割ると

\begin{align} \lim_{n\to \infty} \frac{2n^2-5}{n+3} &= \lim_{n\to \infty} \frac{2n-\frac{5}{n}}{1+\frac{3}{n}}\\\ &= \infty\\\ \end{align}

(※見切れている場合はスクロール)

\(\frac{5}{n},\ \frac{3}{n}\)がゴミになる。
最高次数の文字\(n^2\)で割ればいいってもんじゃないんだね。
小春

 

例題

$$\lim_{n\to \infty} \frac{\sqrt{n^2+n}+3n}{2n-1}$$


(解答)

そのまま極限を求めると\(\frac{\infty}{\infty}\)の不定形になる。

そこで、分母と分子を\(n\)で割ると

\begin{align} \lim_{n\to \infty} \frac{\sqrt{n^2+n}+3n}{2n-1} &= \lim_{n\to \infty} \frac{\frac{\sqrt{n^2+n}}{n}+3}{2-\frac{1}{n}}\\\ &= \frac{\sqrt{1+\frac{1}{n}}+3}{2-\frac{1}{n}}\\\ &= \frac{1+3}{2}\\\ &= 2 \\\ \end{align}

(※見切れている場合はスクロール)

\(\sqrt{●}\)があるからって、有理化とは限らないよ!

\今回の記事はいかがでしたか?/

-極限

© 2024 青春マスマティック Powered by AFFINGER5