学生の頃使いたかったサービス

【学生に戻れるなら使いたい】未来に必要な力が効率的に得られる!お得な優秀サービス

おすすめの数学参考書

【完全版】高校数学の勉強法とオススメの参考書をレベル別にまとめてみました。

極限

【中間値の定理】たった3つ確かめればOK!使い道やよくある例題を徹底解説

中間値の定理

Today's Topic

関数\(f(x)\)が閉区間\([a, b]\)で連続かつ、\(f(a) \neq f(b)\)であるならば、\(f(a) < k < f(b)\)となる任意の\(k\)に対して

$$f(c) = k$$

を満たす\(c\)が\(a\)と\(b\)の間に少なくとも1つ存在する。

 

小春
楓く〜ん、中間値の定理って、なんかわかるようでわかんない〜泣
言ってることはなんとなくわかるけど、「だからなんだよ!?」って感じじゃない?笑
小春
そうなの!何が言いたいのって感じ。。。
よし、今回は中間値の定理を使う場面を見ながら、実際に使い方に慣れていこう!!

 

この記事を読むと、この意味がわかる!

\(f(x) = e^{-x-1}\)について、
$$x=f(x)$$
は少なくとも1つの解を持つことを証明せよ。ただし\(f(x)\)は連続であることは認めて良い。

 

中間値の定理が言いたいこと

 

中間値の定理が言いたいことは至ってシンプル。

まずは難しい言葉を、1つずつ消化していってみましょう。

 

まず前提である

関数\(f(x)\)が閉区間\([a, b]\)で連続かつ、\(f(a) \neq f(b)\)であるならば、

という部分で、図のような\(f(x)\)のグラフが意識されています。

 

中間値の定理の前提条件
両端まで含まれていて、かつ両端の高さが違う連続的なグラフであればなんでもOKだよ!
連続じゃない場合は成り立たない定理なんだね!
小春

 

この条件のもと、

\(f(a) < k < f(b)\)となる任意の\(k\)に対して
$$f(c) = k$$
を満たす\(c\)が\(a\)と\(b\)の間に少なくとも1つ存在する。

を考えてみます。

 

\(y\)座標が\(f(a)\)よりも高く、\(f(b)\)よりも低い適当な位置に点をとってみます。

このとき、適当にとった点の\(x\)座標はどこでも大丈夫です。

中間値の定理:任意の点を取れる

 

このとき閉区間\([a, b]\)の間で、適当な点と同じ高さにある点を\(f(x)\)上に見つけることができますね。

中間値の定理:同じ高さの点を見つけられる

 

適当な高さ\(y=k\)を\(f(a)\)と\(f(b)\)の間に設定すると、閉区間\([a, b]\)の間で\(f(x)=k\)となるような\(x\)座標を必ず見つけられるよ〜

 

小春
言ってることはなんとなく分かったけど、これどうやって使うの???

 

中間値の定理の使い方

中間値の定理のよくある例題をみていこう。

 

例題

方程式\(2^x + x -4 = 0\)は\(1<x<2\)の範囲に、少なくとも1つの実数解を持つことを示せ。

小春
解を求めるんじゃなくて、解があることを示せればOKなのね!

 

与えられた方程式を

$$f(x) = 2^x + x -4$$

と考えると、\(f(x)\)は閉区間]\([1, 2]\)の間で連続的です。

本来なら連続であることの証明がいるんだけど、高校数学では連続であることが暗黙の了解です、、、

 

閉区間上の端点\(x=1\)と\(x=2\)のときを考えてみましょう。

$$f(1) = 2 + 1 - 4 = -1$$
$$f(2) = 4 + 2 - 4 = 2$$

と、両端が異なる値となりました。

 

また、その\(-1\)と\(2\)の間に、与えられた方程式の右辺\(0\)が存在しますね?

つまり\(f(1) < 0 < f(2) \)が成り立つってことね!

 

以上より、

  • 閉区間]\([1, 2]\)の間で連続
  • \(f(1) \neq f(2)\)なので両端が異なる値である
  • \(f(1) < 0 < f(2) \)

の3つの点から、中間値の定理より、

$$f(c) = 2^c + c -4 =0$$

を満たす\(c\)が閉区間]\([1, 2]\)の間に必ず1つは存在することが約束されました。

 

小春
あれ?結局\(c\)の値はわからないの?
そう。この定理は具体的に解を求めるということよりも、抽象的に解が特定の範囲内にあることを確かめるものなんだ!

 

【これだけは覚えて!】中間値の定理の超便利な使い方

 

実は中間値の定理は、

$$f(x)=0$$

となるような\(x\)の値が、特定の閉区間で存在することを示すのにむちゃくちゃ便利です。

例を見てみましょう。

 

例題

次の方程式

$$f(x) = 2^x + 4^{\frac{3}{x}} -5x=0$$

は閉区間\([2,4]\)の間に解を持つか。

 

ご覧の通り、むちゃくちゃめんどくさい方程式が出てきたとします。

これを解く以前に、そもそもこいつは解を持つのかどうかがわかれば、解答の指針を立てやすくなりますね?

 

さて、本当は連続であることの証明から入りたいですが、高校数学では基本的に連続関数しか扱わないので、ここでも連続であることを前提に扱いましょう。

 

閉区間の端点\(x=2\)と\(x=4\)をそれぞれ代入すると、

$$f(2) = 2^{2}+4^{\frac{3}{2}} -10 > 0$$
$$f(4) = 2^{4}+4^{\frac{3}{4}} -20 < 0$$

であることがわかりますね。

 

小春
あれ、正確な値まで求めなくていいの?
そう、異符号であることだけ確かめられればOK!

 

2つの端点は異符号なので、その間に必ず0を挟む事になります。

つまり\(f(2) < 0 < f(4)\)であることは確定したので、中間値の定理より、

$$f(x) = 2^x + 4^{\frac{3}{x}} -5x=0$$

を満たすような\(x\)の値が1つはあることが約束されるというわけです。

 

\(f(x)\)が与えられた閉区間上で、連続かつ端点の符号が異なるならば、必ず\(f(x) = 0\)を満たす\(x\)の値が存在することが中間値の定理からわかる!

 

まとめ

最後にまとめます!

 

まとめ

\(f(x) = k\)の解\(x\)が最低1つは存在することを確かめるためには、

  • 与えられた方程式\(f(x)\)が閉区間上で連続であること
  • 閉区間\([a,b]\)の端点の値\(f(a),\ f(b)\)が異なること
  • \(f(a) < k f(b)\)であること

を示し、中間値の定理を用いれば良い。

特に、\(f(x) = 0\)の解が少なくとも1つ存在することを示したい(確認したい)場合、

  • 与えられた方程式\(f(x)\)が閉区間上で連続であること
  • 閉区間\([a,b]\)の端点の値\(f(a),\ f(b)\)が異符号であること

だけを示せれば良い。

 

小春
なるほど、中間値の定理って解の存在を確かめるために使えばいいのね!
そのとおり。これまでやってきた具体的な問題に使うというより、抽象的な話で活躍するよ。
小春
だからちょっとイメージが付きにくかったのね・・・。

 

どうでしょう、少しでもイメージ掴めましたか?

下の練習問題もぜひ一度やってみてください!

以上、「中間値の定理の意味と使い方について」でした。

 

チェック問題

 

例題

\(f(x) = e^{-x-1}\)について、

$$x=f(x)$$

は少なくとも1つの解を持つことを証明せよ。ただし\(f(x)\)は連続であることは認めて良い。

2013年日大/医4 改

 

\(g(x) = f(x) - x = e^{-x-1} -x\)とする。

連続関数同士の差もまた連続関数となるので、\(g(x)\)は任意の区間で連続である。

 

ここで勘で適当な閉区間\([2,4]\)を考えてみましょう。

$$g(2) = e^{-3} -2 < 0$$
$$g(4) = e^{-5} -5 < 0$$
小春
う〜ん、これじゃあ端点の値が異なることはわかるけど、異符号じゃないから\(g(x) = 0\)になることの証明にはならないね。
でも\(x=4\)のときの方が\(x=2\)のときよりも小さそうだね。

 

では幅を広げて閉区間\([-1,4]\)のときはどうでしょうか?

$$g(0) = 1 + 1 > 0$$
$$g(4) = e^{-5} -5 < 0$$
小春
おっ!

 

以上より、

  • \(g(x) = f(x) - x \)は任意の区間で連続である
  • 閉区間\([-1,4]\)のとき、2つの端点は符号が異なる

ことから、中間値の定理より、\(g(x) = 0\)を満たす解\(x\)は閉区間\([-1,4]\)の間に少なくとも1つはある。

 

よって\(x=f(x)\)は、閉区間\([-1,4]\)の間に少なくとも1つの解を持つ。

メモ

勘ではなく正確に値を求めるためには

などの方法を使えばOKです。

ちなみに単調減少であることを示せると、「少なくとも1つ」ではなく「ただ1つ」であることもわかります。

\今回の記事はいかがでしたか?/

-極限

© 2024 青春マスマティック Powered by AFFINGER5