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極限

【関数の極限の性質】基本法則と必須条件:不定形になったときの対処法

関数の極限の性質

Today's Topic

関数の極限にも、極限の分配法則を考えることができる。ただし、\(f(x),\ g(x)\)が収束するとき限定

関数の極限を考えるためには、与えられた関数を、収束する複数の関数からなる関数とみなして、極限の分配法則を用いれば良い。

不定形になる場合は、式変形などを駆使して他のみなし方がないかを考えれば良い。

 

今日は関数の極限の性質をみて行きたいんだけど。。。
え、何?!
小春
ほぼ数列の極限と同じなんだ。
じゃあ、今日はもう一度おさらいって感じになるのかな?
小春

 

この記事を読むと、この意味がわかる!

  • 関数の極限の具体的な求め方
  • 不定形になる場合の対処法

 

 

関数の極限値の四則演算

 

関数の極限は、数列の極限とほとんど同じです。

なぜほとんど同じなのか、は大学数学の範疇になるので、ここではその事実だけ学んでいきましょう。

 

ポイント

2つの数列\(\{f(x)\},\ \{g(x)\}\)が共に収束して、\( f(x) \underset{x\to a}{\longrightarrow} \alpha, g(x) \underset{x \to a}{\longrightarrow} \beta \)であることが確定しているとき

  • $$\lim_{x\to a} kf(x) = k\lim_{x\to a} f(x) =k\alpha$$
  • $$\lim_{x\to a} \left( f(x)+g(x) \right) =\lim_{x \to a}f(x) \pm \lim_{x\to a}g(x) = \alpha \pm \beta$$
  • $$\lim_{x\to a} f(x) \cdot g(x) = \lim_{x\to a} f(x) \cdot \lim_{x\to a} g(x) = \alpha \cdot \beta$$
  • $$\lim_{x\to a}\frac{f(x)}{g(x)}= \frac{\lim_{x\to a} f(x)}{\lim_{x\to a} g(x)}= \frac{\alpha}{\beta}$$

(※見切れている場合はスクロール)

のようにリミットの分配法則が成り立つ。

 

関数の極限の性質で注意すべきポイント

 

数列の極限と同様に、上記の性質はどれも、2つの関数\(f(x), g(x)\)が\(x \to a\)において収束するという条件が成立する場合にのみ成り立ちます。

 

例えば、次の問題を見てみましょう。

 

例題

\(f(x) = \frac{1}{x}, g(x) = x\) とするとき、

$$\lim_{x\to 1} f(x)g(x)$$

の値を求めよ。

 

\(f(x)\underset{x\to 1}{\longrightarrow} 1, g(x) \underset{x\to 1}{\longrightarrow} 1\)と、どちらも一に収束するので、上記の法則を考えることが可能です。

よって、

$$\lim_{x\to 1} f(x)g(x) = 1 \cdot 1 = 1$$

となります。

 

ですが、この場合はどうでしょうか。

 

例題

\(f(x) = \frac{1}{x}, g(x) = x\) とするとき、

$$\lim_{x\to 0} f(x)g(x)$$

の値を求めよ。

 

\(g(x) \underset{x\to 0}{\longrightarrow} 0\)ではありますが、\(f(x)\)は右極限と左極限が一致しないので、極限を持ちません

よって上記の法則は使うことができないため、別の方法で極限を求めるしかないことがわかります。

 

まぁよく考えると、\(f(x)g(x) = 1\)だから\(f(x)g(x) \underset{x\to 0}{\longrightarrow} 1\)ってすぐわかるんだけども。

 

この法則の使い方

 

最後にこの法則の使い方だけ、見ておきましょう。

 

例題

$$\lim_{x\to -1} \frac{\sqrt{x+5} - 2}{x+1}$$

 

この関数の極限を考えようにも、与えられた関数が複雑すぎてグラフが想像できません。

そこで、複数の関数が合体して作られているという見なし方をします。

 

例えば、\(f(x)=\sqrt{x+5} - 2,\ g(x)=x+1\)と考えると、与式は\(\frac{f(x)}{g(x)}\)とみなすことができます。

\(f(x) \underset{x\to -1}{\longrightarrow} 0, g(x) \underset{x\to -1}{\longrightarrow} 0\)と収束するため、今回の法則が適用できます。

しかし適用してみると、\(\frac{0}{0}\)の不定形になるため、この見なし方はよろしくないということになります。

 

では与式を少し変形して、

\begin{align} \frac{\sqrt{x+5} - 2}{x+1} &= \frac{(\sqrt{x+5} - 2)(\sqrt{x+5} + 2)}{x+1(\sqrt{x+5} + 2)}\\\ &= \frac{x+1}{x+1(\sqrt{x+5} + 2)}\\\ &= \frac{1}{\sqrt{x+5} + 2}\\\ \end{align}

(※見切れている場合はスクロール)

としてみます。

 

次は、\(f(x)=1,\ g(x)=\sqrt{x+5} + 2\)とみなしてみましょう。

こちらも、\(f(x) \underset{x\to -1}{\longrightarrow} 1, g(x) \underset{x\to -1}{\longrightarrow} 4\)と収束するため、今回の法則が適用できます。

 

そしてこのみなし方であれば、

$$\lim_{x\to -1} \frac{f(x)}{g(x)}=\frac{1}{4}$$

となるため、不定形にならずしっかり答えを求めることができました。

 

このように、今回のリミットの分配法則が成り立つからと言って必ず答えが求まるのではありません。

あくまで答えが求まるように式変形をした上で、今回の法則を使うことが重要です。

 

まとめ

最後にまとめるよ!

 

注意ポイント

関数の極限にも、極限の分配法則を考えることができる。ただし、\(f(x),\ g(x)\)が収束するとき限定。

関数の極限を考えるためには、与えられた関数を、収束する複数の関数からなる関数とみなして、極限の分配法則を用いれば良い。

不定形になる場合は、式変形などを駆使して他のみなし方がないかを考えれば良い。

 

数列の極限と同様、関数の極限でもただ代入すればいいという感覚では後々解けない問題が頻出してきます。

収束するという条件にフォーカスして、今回の性質が使いこなせるようになることがまずはファーストステップです!

 

以上、「関数の極限の性質」についてでした。

\今回の記事はいかがでしたか?/

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