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無限等比級数の収束・発散を調べるためには、無限級数の手順と同じことを行えば良い。
\(|r|<1\)のとき、無限級数の和\(\frac{a}{1-r}\)に収束するが、これも特に覚えなくて良い。
この記事を読むと、この意味がわかる!
- 無限等比級数の収束・発散の調べ方
- 無限等比級数の和の公式
無限等比級数とは
無限数列\(\{a_n\}\)が等比数列だった場合、その無限級数
のことを、特に無限等比級数と言います。
が・・・!
特別なことは何もなくて、無限級数の記事で紹介したテクニックを使えば、特に意識しなくてもOKです。
無限等比級数は、何も覚えることはない?!
無限級数と同様に、無限等比級数も収束したり、発散したりします。
ではどのように調べたら良いのでしょうか。
無限級数の極限を調べるためには、
- 第\(n\)項までの部分和\(S_n\)を求め、
- $$\lim_{n\to\infty} S_n$$を考える。
の手順でOKでしたね。
また
つまり無限級数が\(S\)に収束するとき、\(S\)を「無限級数の和」というのでした。
無限等比級数も全く同じで、もし収束するのであれば、その極限値を「無限級数の和」と呼びます。
では実際に、考えていきましょう。
無限等比級数の収束条件
例題
無限等比数列
$$a+ar+ar^2+\cdots +ar^{n-1}+\cdots \ (a,r\neq 0)$$
の無限等比級数の収束・発散について調べよう。
step
1第\(n\)項までの部分和\(S_n\)を求める。
数Bの数列の単元で扱った通り、等比数列の部分和\(S_n\)は
$$r\neq 1 のとき、S_n=\frac{a(1-r^n)}{1-r}$$
となりますね。
step
2\(S_n\)の極限を考える。
ここで、無限級数の収束・発散がひと目でわかるテクニックを使っていきます。
簡単に復習すると、
無限級数が収束するか判断するためには、
$$\lim_{n\to\infty} a_n$$
の値を調べれば良い。
この極限値が0でなければ発散する。
もしこの極限値が0であっても、収束するとは限らない。
でしたね。
つまり、無限等比級数が収束するためには、無限等比数列\(\{a_n\}\)が0に収束していなければならないはずですね。
そして無限等比数列の極限で紹介した通り、
初項\(a\)、公比\(r\)の無限等比数列は
- \(0<r<1\)のとき、\(a_n \underset{n\to \infty}{\longrightarrow} 0\)に収束
- \(-1<r<0\)のとき、\(a_n \underset{n\to \infty}{\longrightarrow} 0\)に収束
し、それ以外は発散する(ただし\(r=1\)のときは変化しない)。
ということがわかっています。
すなわち、
ポイント
\(|r|<1\)のときのみ、無限等比級数は収束する
ことがわかります。
またその無限等比級数の和は、\(|r|<1\)に注意すると、
より、
に収束することがわかります。
まとめ
まとめ
無限等比級数の収束・発散を調べるためには、無限級数の手順と同じことを行えば良い。
\(|r|<1\)のとき、無限級数の和\(\frac{a}{1-r}\)に収束するが、これも特に覚えなくて良い。
今回は、無限等比級数の記事を書きましたが、本当はあまり書きたくありませんでした・・・。
なぜなら無限等比級数の和\(\frac{a}{1-r}\)を丸暗記しようとしてしまう人がいるから(昔の自分)。。。
しかしあえて書くことで、特に覚えることはないよというアピールになるかなと思って書きました。
結局、無限級数さえ求められればOK。
以上、「無限等比級数の調べ方(笑)」でした。
チェック問題
例題
次の無限等比級数の収束・発散を調べ、収束する場合には無限等比級数の和を求めよ。
$$1+\frac{1}{3}+\frac{1}{9}+\cdots$$
オススメ解
初項\(a=1\)、公比\(r=\frac{1}{3}\)の等比数列。
なので、この無限級数は収束する可能性がある。
この数列の部分和\(S_n\)は、
となり、
よって、無限級数の和\(\frac{3}{2}\)に収束する。
メモ
結構長くなってしまいましたが、考えていることを可視化するとこんな感じになります。
実際の回答では、そもそもこんな問題が出ることは少ないので、ここまで細かく書かなくていいですが、暗記に走らず、しっかりこの解答と同じように考えられるようになってください。
イマイチな解答
初項\(a=1\)、公比\(r=\frac{1}{3}\)の等比数列。
公比が\(|r|<1\)を満たすので、この無限等比級数は収束する。
またその和は、
メモ
とまぁ、このように無駄に暗記していればこんな解答が書けます。
ちゃんと理解して書いているならまだしも、正直「あぁ、丸暗記して何もわかってないな」というゴミ解答です。
本質をちゃんと理解しているのであれば、「オススメ解」のように書けるはずです。