極限

【無限級数の収束・発散条件】無限級数を見ただけで解答が思い浮かぶテクニック

無限級数の収束・発散条件

Today's Topic

無限級数が収束するか判断するためには、

$$\lim_{n\to\infty} a_n$$

の値を調べれば良い。

この極限値が0でなければ発散する。

もしこの極限値が0であっても、収束するとは限らない

 

今日は無限数列が収束する条件について紹介するね。
知っておくと、便利なの?
小春
解答の見通しが立つから、より解答の仕方がクリアになるし、無駄な計算をしなくて済むようになるよ!

 

この記事を読むと、この意味がわかる!

次の無限級数は収束するか。する場合はその和を示せ。

  • $$3-2\sqrt{3}+4-\frac{8\sqrt{3}}{3}+\cdots$$
  • $$\frac{1}{1\cdot3}+\frac{1}{2\cdot4}+\frac{1}{3\cdot5}+\cdots$$

答えは最後にあるよ!

 

無限級数が収束する条件

 

ポイント

無限数列\(\{a_n\}\)の無限級数\(\sum_{n=1}^{\infty} a_n\)について、

$$\sum_{n=1}^{\infty} a_nが収束する\Longrightarrow \lim_{n\to\infty} a_n =0$$

また、この対偶をとると、

$$\lim_{n\to\infty} a_n \neq 0 \Longrightarrow \sum_{n=1}^{\infty} a_nは発散する$$

と言えます。

 

ただしこれを丸暗記しても、実用性は低いので魔法の呪文を紹介します。

上記の収束条件をより分かりやすい日本語に訳してみると・・・

 

\(a_n \underset{n\to \infty}{\longrightarrow} 0\)であれば、\(\sum_{n=1}^{\infty}a_n\)が収束する可能性がある(しない場合も当然ある)。
しかし、そもそも\(a_n \underset{n\to \infty}{\longrightarrow} 0\)でなければ、\(\sum_{n=1}^{\infty}a_n\)は収束しない。

 

具体的に、例題を通してみてみましょう。

無限級数の調べ方は、こちらを参考にしてください。

無限級数
【無限級数】の定義と、収束・発散を調べるためのコツをまとめました。

続きを見る

 

無限級数の収束:例題

 

ここでは3つの例を紹介しますが、今回の内容が一番効果的なのは例3です。

 

例1:無限級数が収束する場合

 

例題

次の無限級数は収束するか。収束する時はその和を求めよ。

$$\sum_{k=1}^{\infty} \left(\frac{2}{3}\right)^k$$

 

この無限級数は、無限数列\(\left\{\left(\frac{2}{3}\right)^n\right\}\)が元になっていますね。

\(\left(\frac{2}{3}\right)^n \underset{n\to \infty}{\longrightarrow} 0\)なので、この無限級数は収束する可能性・・・がありますね。

まだ収束するとは限らないから!

 

収束するかなぁ、、、という心持で計算してみると、

STEP1.部分和を求める
\begin{align} \sum_{k=1}^n \left(\frac{2}{3}\right)^k &= \frac{2}{3}\cdot\frac{1-\left(\frac{2}{3}\right)^n}{1-\frac{2}{3}}\\\ \end{align}
STEP2.部分和の極限を求める
\begin{align} \frac{2}{3}\cdot\frac{1-\left(\frac{2}{3}\right)^n}{1-\frac{2}{3}} &\underset{n\to \infty}{\longrightarrow} \frac{2}{3}\cdot\frac{1}{1-\frac{2}{3}}\\\ &= 2\\\ \end{align}

 

収束しましたね。

 

例2:無限級数が発散してしまう場合

 

例題

次の無限級数は収束するか。収束する時はその和を求めよ。

$$\sum_{k=1}^{\infty}\frac{1}{\sqrt{k+1}+\sqrt{k}}$$

 

この無限級数は、無限数列\(\left\{\frac{1}{\sqrt{n+1}+\sqrt{n}}\right\}\)が元になっていますね。

\(\frac{1}{\sqrt{n+1}+\sqrt{n}} \underset{n\to \infty}{\longrightarrow} 0\)なので、この無限級数も収束する可能性・・・があります。

 

収束するかなぁ、、、という心持で計算してみると、

STEP1.部分和を求める

\begin{align} \sum_{k=1}^n \frac{1}{\sqrt{k}+\sqrt{k+1}} &= \sum_{n=1}^k \frac{1}{\sqrt{k}+\sqrt{k+1}}\cdot \frac{\sqrt{k+1}-\sqrt{k}}{\sqrt{k+1}-\sqrt{k}}\\\ &= \sum_{n=1}^k \frac{1}{\sqrt{k+1}-\sqrt{k}} \\\ &= \left(\require{cancel} \cancel{\sqrt{2}}-1\right)+\left(\require{cancel} \cancel{\sqrt{3}}-\require{cancel} \cancel{\sqrt{2}}\right)+\cdots\left(\sqrt{n+1}-\require{cancel} \cancel{\sqrt{n}}\right)\\\ &= \sqrt{n+1}-1 \\\ \end{align}

(※見切れている場合はスクロール)
STEP2.部分和の極限を求める
$$\lim_{n\to\infty} \left(\sqrt{n+1}-1\right)=\infty$$

 

このように、元になっている無限数列が収束したとしても、その無限級数が収束するとは限りません。

あくまで目安程度に考えましょう。

 

例3:無限級数の発散が確定する場合

 

例題

次の無限級数は収束するか。収束する時はその和を求めよ。

$$\sum_{k=1}^{\infty}\frac{k}{2k-1}$$

 

この無限級数は、無限数列\(\left\{\frac{k}{2k-1} \right\}\)が元になっていますね。

この無限数列の極限を調べてみると・・・

\begin{align} \frac{k}{2k-1} &= \frac{1}{2-\frac{1}{k}}\\\ &\underset{n\to \infty}{\longrightarrow} \frac{1}{2}\\\ \end{align}

 

小春
あれ?0に収束していないね。
ということは、発散が確定するってこと!

 

そのため、ここで解答を終えてもOKです。

 

無限級数が収束する条件の証明

 

無限数列\(\{a_n\}\)と、その無限級数\(\sum_{n=1}^{\infty} a_n\)、またその部分和\(S_n\)と無限級数の和\(S\)について考えます。

この条件から、

$$\lim_{n\to\infty} S_n = S$$

ということを言っているので注意してくださいね。

 

\(n≧2\)において、

$$a_n = S_n - S_{n-1}$$

ということができます。

 

これにより

\begin{align} \lim_{n\to\infty} a_n &= \lim_{n\to\infty} \left(S_n - S_{n-1}\right) \\\ &= \lim_{n\to\infty} S_n -\lim_{n\to\infty} S_{n-1} \\\ &= S - S\\\ &= 0\\\ \end{align}

と変形でき、

$$\sum_{n=1}^{\infty} a_nが収束する\Longrightarrow \lim_{n\to\infty} a_n =0$$

ということができました。

 

まとめ

今日のまとめー。

 

まとめ

無限級数が収束するか判断するためには、

$$\lim_{n\to\infty} a_n$$

の値を調べれば良い。

この極限値が0でなければ発散する。

もしこの極限値が0であっても、収束するとは限らない

 

今回の内容が最も役立つのは、『無限級数が発散すること』を示す場合です。

経験上お分かりかと思いますが、\(a_n\)が分かっていても、その部分和\(S_n\)を求めることは簡単ではありません。

 

つまり、\(a_n\)が発散することさえわかれば、\(S_n\)を求めなくてもOKになります。

苦労を1つ減らせると思えば、今回の重要度が分かりますね。

 

以上、「無限級数の収束する条件」についてでした。

 

チェック問題

 

例題

次の無限級数は収束するか。する場合はその和を示せ。

  1. $$3-2\sqrt{3}+4-\frac{8\sqrt{3}}{3}+\cdots$$
  2. $$\frac{1}{1\cdot3}+\frac{1}{2\cdot4}+\frac{1}{3\cdot5}+\cdots$$

 

(1)の解答

+ タップで解答表示

この無限級数の第\(n\)項\(a_n\)は、初項3、公比\(-\frac{2\sqrt{3}}{3}\)の等比数列であることから

$$a_n=3\cdot\left(-\frac{2\sqrt{3}}{3}\right)^{n-1}$$

と表せる。

この極限を調べてみると、

\begin{align} 3\cdot\left(-\frac{2\sqrt{3}}{3}\right)^{n-1} &= 3\cdot(-1)^{n-1}\cdot\left(\frac{2\sqrt{3}}{3}\right)^{n-1}\\\ & \underset{n\to \infty}{\longrightarrow} 振動\\\ \end{align}

(※見切れている場合はスクロール)

となり、0に収束しない。

よって、この無限級数は発散する。

等比数列の極限の性質
【等比数列の極限】暗記は絶対にダメ!絶対必要な極限の感覚をマスターしよう。

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(2)の解答

+ タップで解答表示

この数列の一般項\(a_n\)は、

\begin{align} a_n &= \frac{1}{n(n+2)}\\\ &= \frac{1}{2}\left(\frac{1}{n}-\frac{1}{n+2}\right)\\\ \end{align}

と表せる。

小春
\(a_n \underset{n\to \infty}{\longrightarrow} 0\)だから収束する可能性があるね!

部分和\(S_n\)を求めると、

\begin{align} S_n &= \frac{1}{2}\left(1-\require{cancel} \cancel{\frac{1}{3}}\right)+\frac{1}{2}\left(\frac{1}{2}-\require{cancel} \cancel{\frac{1}{4}}\right)+\frac{1}{2}\left(\require{cancel} \cancel{\frac{1}{3}}-\require{cancel} \cancel{\frac{1}{5}}\right)+\cdots+\frac{1}{2}\left(\require{cancel} \cancel{\frac{1}{n-1}}-\frac{1}{n+1}\right)+\frac{1}{2}\left(\require{cancel} \cancel{\frac{1}{n}}-\frac{1}{n+2}\right)\\\ &= \frac{1}{2}\left(1+\frac{1}{2}-\frac{1}{n+1}-\frac{1}{n+2}\right)\\\ \end{align}

(※見切れている場合はスクロール)

この極限を求めると、

\begin{align} \lim_{n\to\infty} S_n &= \lim_{n\to\infty}\frac{1}{2}\left(1+\frac{1}{2}-\frac{1}{n+1}-\frac{1}{n+2}\right)\\\ &= \frac{3}{4}\\\ \end{align}

(※見切れている場合はスクロール)

よって、この無限級数は収束し、その和は\(\frac{3}{4}\)である。

 

 

\今回の記事はいかがでしたか?/

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