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【完全版】高校数学の勉強法とオススメの参考書をレベル別にまとめてみました。

極限

【無限級数】の定義と、収束・発散を調べるためのコツをまとめました。

無限級数

Today's Topic

無限数列\(\{a_n\}\)の無限級数$$\sum_{n=1}^{\infty} a_n$$を調べるためには、

  1. 第\(n\)項までの部分和\(S_n\)を求め、
  2. $$\lim_{n\to\infty} S_n$$を考えれば良い。

このとき、\(S_n\)の極限値のことを、無限級数の和と呼ぶ。

 

今日は無限級数について扱うよ。
級数って足し算って意味だよね。。。無限個の項をどうやって足せばいいの・・・
小春
一部を求めて極限を考えるという手法を使うよ!

 

この記事を読むと、この意味がわかる!

次の無限級数の収束・発散を調べ、収束する場合にはその和を求めよ。

  • $$\sum_{k=1}^{\infty} \frac{1}{\sqrt{k}+\sqrt{k+1}}$$
  • $$\sum_{k=1}^{\infty} \left(\frac{2}{3}\right)^k$$

 

 

無限級数とは

 

無限数列\(\{a_n\}\)について、各項の和

$$a_1+ a_2+ a_3+ \cdots + a_n+ \cdots$$

無限級数といい、

$$\sum_{n=1}^{\infty} a_n$$

のように表します。

 

ところで、\(\{a_n\}\)の初項から第\(n\)項までの和を\(S_n\)と表現しますね。

無限級数を考えてみると、

$$\underbrace{a_1+ a_2+ a_3+ \cdots + a_n}_{S_n}+ \cdots$$

のように、全ての項の和の一部分だけを表しているため、\(S_n\)は部分和と言われます。

 

\(S_1\)は初項、\(S_2\)は初項から第2項までの和、\(S_n\)は初項から第\(n\)項までの和を表しています。

 

では

$$\lim_{n\to \infty} S_n$$

は、何を表しているでしょうか。

 

小春
初項から第\(\infty\)項までの和・・・
つまり?
小春
あ、無限級数のことか!

 

つまり

\begin{align} \sum_{n=1}^{\infty} a_n &= \lim_{n\to \infty} S_n\\\ &= \lim_{k\to\infty} \sum_{n=1}^{k} a_n\\\ \end{align}

と変形できるので、

$$\sum_{n=1}^{\infty} a_n = \lim_{n\to\infty} \sum_{n=1}^{k} a_n$$

ということが分かります。

 

無限級数を求めるコツ

 

先ほど得られた

$$\sum_{n=1}^{\infty} a_n = \lim_{k\to\infty} \sum_{n=1}^{k} a_n$$

を日本語訳してみると、次のようになります。

 

ポイント

無限数列\(\{a_n\}\)の無限級数を調べるためには、

  1. 第\(n\)項までの部分和\(S_n\)を求め、
  2. $$\lim_{n\to\infty} S_n$$を考えれば良い。

 

例を見てみましょう。

 

例題

$$\sum_{n=1}^{\infty} \frac{1}{n(n+1)}$$

 

step
1
部分和\(S_n\)を求めよう。

 

まず、部分和である

$$\sum_{n=1}^{k} \frac{1}{n(n+1)}$$

を求めてみます。

 

部分分数分解を用いると、

\begin{align} \sum_{n=1}^{k} \frac{1}{n(n+1)} &= \sum_{n=1}^{k} \left(\frac{1}{n}-\frac{1}{n+1}\right)\\\ &= \left(1-\require{cancel} \cancel{\frac{1}{2}}\right)+\left(\require{cancel} \cancel{\frac{1}{2}}-\require{cancel} \cancel{\frac{1}{3}}\right)+\cdots + \left(\require{cancel} \cancel{\frac{1}{k}}-\frac{1}{k+1}\right)\\\ &= 1-\frac{1}{k+1}\\\ \end{align}

(※見切れている場合はスクロール)

と求められます。

 

step
2
部分和\(S_n\)の極限を求めよう。

 

\(k\to\infty\)のときを考えると、

$$\lim_{k\to\infty} \left(1-\frac{1}{k+1}\right)= 1$$

 

よって、

$$\sum_{n=1}^{\infty} \frac{1}{n(n+1)}=1$$

 

無限級数の収束

 

上の例では、無限級数が1に収束しましたね。

 

これは部分和\(S_n=1-\frac{1}{k+1}\)が作る数列

$$\{S_n\} = S_1, S_2, S_3,\cdots, S_n\cdots$$

が1に収束することを表していました。

 

\(S_n\)が1に収束するとき、極限値1のことを無限級数の和と呼びます。

小春
すなわち、無限級数は「無限級数の和」に収束するってことね。
ここら辺、言葉の定義が複雑だから要注意ね。

 

無限級数が収束するかどうかは、実際に調べてみないと分かりませんが、無限級数の性質を利用すると「収束するのかどうか」をある程度判断することができます

それは「【無限級数の収束・発散条件】無限級数を見ただけで解答が思い浮かぶテクニック」にて紹介します。

無限級数の収束・発散条件
【無限級数の収束・発散条件】無限級数を見ただけで解答が思い浮かぶテクニック

続きを見る

 

まとめ

今日のまとめね。

 

まとめ

無限数列\(\{a_n\}\)の無限級数$$\sum_{n=1}^{\infty} a_n$$を調べるためには、

  1. 第\(n\)項までの部分和\(S_n\)を求め、
  2. $$\lim_{n\to\infty} S_n$$を考えれば良い。

このとき、\(S_n\)の極限値のことを、無限級数の和と呼ぶ。

 

 

無限級数の単元は、8割程度数が数Bの数列の内容になります。

言葉の定義が若干めんどくさいものの、解法で詰まった場合などは数Bの数列を復習するといいですよ。

結局\(S_n\)求めて、極限を考えればOK。詰まるとしたら\(S_n\)を求めるところくらいかな?

 

以上、「無限級数について」でした。

 

チェック問題

 

例題

次の無限級数の収束・発散を調べ、収束する場合にはその和を求めよ。

  1. $$\sum_{k=1}^{\infty} \frac{1}{\sqrt{k}+\sqrt{k+1}}$$
  2. $$\sum_{k=1}^{\infty} \left(\frac{2}{3}\right)^k$$

 

メモ

無限級数が収束する場合、部分和\(S_n\)の極限値に収束します。

この場合、\(S_n\)の極限値のことをその無限級数の和と呼ぶため、問題にある「その和を求めよ」とは、結局、部分和\(S_n\)の極限を求めてくださいと言っているだけです。

 

(1)の解答
部分和から求める。

\begin{align} \sum_{k=1}^n \frac{1}{\sqrt{k}+\sqrt{k+1}} &= \sum_{n=1}^k \frac{1}{\sqrt{k}+\sqrt{k+1}}\cdot \frac{\sqrt{k+1}-\sqrt{k}}{\sqrt{k+1}-\sqrt{k}}\\\ &= \sum_{n=1}^k \frac{1}{\sqrt{k+1}-\sqrt{k}} \\\ &= \left(\require{cancel} \cancel{\sqrt{2}}-1\right)+\left(\require{cancel} \cancel{\sqrt{3}}-\require{cancel} \cancel{\sqrt{2}}\right)+\cdots\left(\sqrt{n+1}-\require{cancel} \cancel{\sqrt{n}}\right)\\\ &= \sqrt{n+1}-1 \\\ \end{align}

(※見切れている場合はスクロール)
よって、
$$\lim_{n\to\infty} \left(\sqrt{n+1}-1\right)=\infty$$
より、この無限級数は発散する。

 

(2)の解答
無限数列\(\left(\frac{2}{3}\right)^n\)は等比数列なので、部分和\(S_n\)は

\begin{align} S_n &= \sum_{k=1}^n\left(\frac{2}{3}\right)^k\\\ &= \frac{2}{3}\cdot\frac{1-\left(\frac{2}{3}\right)^n}{1-\frac{2}{3}}\\\ &\underset{n\to \infty}{\longrightarrow} \frac{2}{3}\cdot\frac{1}{1-\frac{2}{3}}\\\ &= 2 \\\ \end{align}

(※見切れている場合はスクロール)
よって、この無限級数は収束し、その和は2である。

 

\今回の記事はいかがでしたか?/

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