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y=f(x)
\Downarrow
\log y = \log f(x)
としてから微分を考える。

楓

小春

楓
後で解説するけど、複雑な関数を微分したいときに役立つよ。
ナルホド、難易度が上がるほど必要になりそうなテクニックね。

小春
この記事を読むと、この問題がわかる!
- y=x^{\frac{1}{x}}とするとき、y'の値を求めよ。
- y=\frac{(x+1)^3}{(x-2)^2(x+3)^4}とするとき、y'の値を求めよ。

楓
対数微分法とは
対数微分法は、両辺に自然対数\logをつけて微分を考える手法のことです。
対数微分法
y=x^{\frac{1}{x}}
\Downarrow
\log y = \log x^{\frac{1}{x}}

小春
うぅ〜ん、\logつけることでますます複雑になっているような・・・。
見た目はとてもグロくなりましたが、この微分法は自然対数の次の3つの性質を利用することで、より簡単に微分しようと考えています。
- 真数の掛け算を足し算で表せる\log ab = \log a +\log b
- 真数の分数を引き算で表せる\log \frac{a}{b} = \log a -\log b
- 指数を前に下ろせる\log a^n = n\log a
では実際に、具体例を見てみましょう。
対数微分法|【例題】対数の微分公式を使う場面

小春

楓

小春
その通り。ここで対数微分の出番だ。そのまま微分するのは難しけど、自然対数にすることで微分しやすくなるときに使うと有効だよ。

楓
(解答)
f(x)=x^xに対し、\log f(x)を考える。
\begin{align} \log f(x) &= \log x^x\\\ &= x\log x\\\ \end{align}
まず左辺\log f(x)をxで微分することを考えましょう。
この自然対数は変数部分である真数が関数になっているため、合成関数として見なせます。
つまり左辺は合成関数の微分法を使えばいいというわけです。
合成関数について復習したい人はこちらを参考にしてください。
合成関数を微分するためには、
ポイント
- 合成されている2つの関数を見つける。
- それぞれ微分する。
- 微分した値を掛け合わせる。

小春
のようにすればよかったのでした。
まず\log f(x)は、\log uとu=f(x)の合成関数とみることができます。
よって、
\begin{align} \frac{d}{dx}\log u &= \frac{d}{du}\log u\times\frac{du}{dx}\\\ &= \frac{1}{u}\cdot u'\\\ \end{align}
uをf(x)に戻して、
\frac{d}{dx}\log f(x)=\frac{f'(x)}{f(x)}
となりました。
次は右辺。x\log xの微分ですが、これは積の微分法を使えばすぐにわかりますね。
積の微分法について復習したい人はこちらを参考にしてください。
積の微分法は『微分そのまま+そのまま微分』でしたので、
\begin{align} \left(x\log x\right)' &= x'\log x+x\left(\log x\right)'\\\ &= \log x +x\cdot\frac{1}{x}\\\ &= \log x +1\\\ \end{align}
となりました。
以上より、
\frac{f'(x)}{f(x)}=\log x +1
とわかったので、両辺f(x)倍してあげて
\begin{align} f'(x) &= f(x)\left(\log x +1\right)\\\ &= x^x \left(\log x +1\right)\\\ \end{align}
ポイント
対数微分法は、指数が関数の場合に微分しやすくすることができる。
ただし合成関数の微分法、積の微分法をお忘れなく!
まとめ

楓
まとめ
- 対数微分法をするためには、両辺に対数をとり、各辺それぞれ微分して考えれば良い。
- 指数が複雑な関数になっているような関数を微分するときには、対数微分法が有効打になる。
対数微分法は使用頻度こそ低いですが、微分の難易度をグッと下げることができる便利なツールになります。
対数微分法それ自体はそれほど難しくなく、どちらかといえば単体で学ぶよりも応用問題を通して学んだ方が効果的ですよ。
是非いろんな問題を解いて、対数微分法が活躍する問題を見つけてみてください。
以上、「対数微分法について」でした。
チェック問題
例題
y=x^{\frac{1}{x}}とするとき、y'の値を求めよ。
両辺に自然対数をとると、
\log y = \frac{1}{x}\log x
右辺に合成関数の微分法を適用し、xについて微分すると、
\begin{align} \frac{d}{dx}\log y &= \frac{d}{dy}\log y\cdot \frac{dy}{dx}\\\ &= \frac{1}{y}\cdot\frac{dy}{dx}\\\ \end{align}
左辺に分数関数の微分法を適用し、xについて微分すると、
\begin{align} \left(\frac{\log x}{x}\right)' &= \left(\log x\cdot x^{-1}\right)'\\\ &= \left(\log x\right)'\cdot x^{-1} +\log x \left(x^{-1}\right)'\\\ &= \frac{1-\log x}{x^2} \end{align}
よって、
\frac{1}{y}\cdot \frac{dy}{dx} = \frac{1-\log x}{x^2}
より、両辺y倍して
\begin{align} \frac{dy}{dx} &= y\cdot \frac{1-\log x}{x^2} \\\ &= x^{\frac{1}{x}-2}\left(1-\log x\right)\\\ \end{align}
例題
y=\frac{(x+1)^3}{(x-2)^2(x+3)^4}とするとき、y'の値を求めよ。

小春
両辺に自然対数をとると、
\log |y| = 3\log |x+1| -2\log|x-2| -4\log|x+3|
(※見切れている場合はスクロール)

楓
今回のように関数が負になる可能性がある場合は、自然対数をつけるときに絶対値をつけて強制的に正のときを考えるようにするよ!
右辺に合成関数の微分法を適用し、xについて微分すると、
\begin{align} \frac{d}{dx}\log y &= \frac{d}{dy}\log y\cdot \frac{dy}{dx}\\\ &= \frac{1}{y}\cdot\frac{dy}{dx}\\\ \end{align}
(※見切れている場合はスクロール)
左辺をxについて微分すると、
\begin{align} \left( 3\log |x+1| -2\log|x-2| -4\log|x+3|\right)' &= \frac{3}{x+1} - \frac{2}{x-2} -\frac{4}{x+3}\\\ &= -\frac{3x^2+x+16}{(x+1)(x-2)(x+3)}\\\ \end{align}
(※見切れている場合はスクロール)
よって、
\frac{1}{y}\cdot\frac{dy}{dx} = -\frac{3x^2+x+16}{(x+1)(x-2)(x+3)}
より、両辺y倍してあげて
\begin{align} \frac{dy}{dx} &= -y\cdot \frac{3x^2+x+16}{(x+1)(x-2)(x+3)}\\\ &= -\frac{(x+1)^2 (3x^2+x+16)}{(x-2)^2(x+3)^5}\\\ \end{align}

楓
このように見た目がグロい関数でも、対数微分法によって和の形に直して、ただ微分するだけの問題に帰着させることができるよ!