Today's Topic
陰関数$$f(x,y)=0$$を微分するためには、両辺微分して、合成関数の微分法を使えば良い。
この記事を読むと、この問題がわかる!
- 陰関数$$x^2+y^2-1=0$$を微分せよ。
- 陰関数$$f(x,y)=y^2-x^2\left(4-x^2\right)=0$$の導関数\(\frac{dy}{dx}\)を求めよ。
Contents
陰関数の微分法のコツ→合成関数の微分法を適用
例題を通して、具体的な手法を学んでいきましょう!
例題
陰関数\(f(x,y) = x^2 + y^2 -1 = 0\)の\(x=\frac{1}{2}\)における微分係数を求めよ。
STEP1. 両辺を\(x\)で微分
両辺を\(x\)について微分すると、
\begin{align} \frac{d}{dx}\left(x^2 + y^2 -1\right) &= 2x +\color{red}{ \frac{d}{dx}y^2} +0\\\ \end{align}
STEP2. 合成関数の微分法を用いて、\(\frac{d}{dx}f(y)\)を解決
ここで合成関数の微分法より、
STEP3. \(\frac{dy}{dx}について解く\)
右辺を微分すると0。STEP2も併せて考えると、
これを \(\frac{dy}{dx}\)について解くと、
これで陰関数の微分はOKです。
あとは微分係数を求めるために、\(x=\frac{1}{2}\)を代入してあげましょう。
よって、\(x=\frac{1}{2}\)のときの微分係数は
ところで、この陰関数は円の方程式を陰関数表示したものですね。
つまりこの微分係数がわかったことで、図のように\(x=\frac{1}{2}\)のときの円の接線の傾きがわかりました。
陰関数の微分でやってはいけないこと
陰関数の微分の問題が出題されたとき、一番やってはいけないこと。
それは陽関数表示しようと試みることです。
陰関数についての記事でも扱いましたが、基本的に陰関数は陽関数表示することが困難、というより不可能です。
先ほどの例題は確かに
と陽関数表示することは可能です。
では、次のような陰関数はどうでしょうか。
例題
$$f(x,y) = x^3y+x ^2 y^2 -y = 0$$
合成関数の微分法をマスターしてさえいれば、今回の陰関数の微分もそれほど難しくはないですよね。
変に陽関数表示にしてから微分という、危ないしできるかもわからない手法を使うよりも、陰関数の微分法を使ったほうが安心ですね。
まとめ
まとめ
陰関数を微分するためには、
- 両辺を\(x\)で微分し、
- \(\frac{d}{dx}f(y)\)を合成関数の微分法を使って\(\frac{d}{dy}f(y)\cdot\frac{dy}{dx}\)の形にし、
- \(\frac{dy}{dx}\)について解けば良い。
数Ⅲの複雑な微分法をこれまで見てきましたが、
結局、合成関数の微分法さえできればなんとかなるんじゃね
と思ったあなた。えらい、出世します。
陰関数の問題自体は頻出するわけではありませんが、おまけ程度に頭の片隅に入れておきたいですね。
以上、「陰関数の微分法について」でした。
チェック問題
例題
陰関数$$f(x,y)=y^2-x^2\left(4-x^2\right)=0$$の導関数\(\frac{dy}{dx}\)を求めよ。
両辺\(x\)について微分すると、
(※見切れている場合はスクロール)
(右辺)は0なので、
\(y\neq 0\)として\(\frac{dy}{dx}\)について解くと、
ちなみに陰関数\(f(x,y)=0\)を陽関数表示してみると、
となるので、
と表すこともできます。