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【完全版】高校数学の勉強法とオススメの参考書をレベル別にまとめてみました。

ルート 極限

【ルートの極限】と応用公式|不定形でわかる有理化を使うポイントと効率的な解法

無理関数の極限公式

Today's Topic

  1. そのまま極限を考えると\(\infty - \infty, \frac{0}{0}\)不定形になる場合、有理化を使うとうまくいく場合が多い。
  2. 負の無限大の極限を考える際、符号に注意する

 

今日は無理関数、つまりルートの極限公式への対処法を学ぶよ!
有理化すればいいんじゃないの?
小春
実は適切な場面で有理化を使わないと、遠回りになるんだよ!
なるほど、そしたら使うべき場面の見極め方とか教えて欲しいなぁ・・・
小春

 

この記事を読むと、この意味がわかる!

  • $$\lim_{x\to 1}\frac{\sqrt{x+3}-2}{x^2-4}$$
  • $$\lim_{x\to -\infty}\frac{2x-\sqrt{4x^2+x}}{\sqrt{x^2-1}-x}$$
  • $$\lim_{x\to 2}\frac{\sqrt{x}-\sqrt{2}}{x-2}$$

答えは最後に解説!

 

【注意すべき点は2つだけ】有理化すべき場面と、マイナスを忘れる危険性

 

ルートを含んだ極限を考える際、注意すべき点は次の2点です。

ポイント

  1. そのまま極限を考えると\(\infty - \infty, \frac{0}{0}\)不定形になる場合、有理化を使うとうまくいく場合が多い。
  2. 負の無限大の極限を考える際、符号に注意する

 

具体的に例題を見てみましょう。

 

有理化をすべき場面

例題

$$\lim_{x\to\infty}\frac{\sqrt{1+x}-\sqrt{1-x}}{x}$$

 

この問題では、そのまま極限を考えると\(\frac{0}{0}\)不定形になっていますね。

 

よって有理化が有効です。

\begin{align} \lim_{x\to\infty}\frac{\sqrt{1+x}-\sqrt{1-x}}{x} &= \lim_{x\to\infty}\frac{\left(\sqrt{1+x}-\sqrt{1-x}\right)\color{red}{\left(\sqrt{1+x}+\sqrt{1-x}\right)}}{x\color{red}{\left(\sqrt{1+x}+\sqrt{1-x}\right)}}\\\ &= \lim_{x\to 0}\frac{2\require{cancel} \cancel{x}}{\require{cancel} \cancel{x}\color{red}{\left(\sqrt{1+x}+\sqrt{1-x}\right)}}\\\ &= \frac{2}{1+1}\\\ &= 1 \\\ \end{align}

(※見切れている場合はスクロール)

2行目の段階で\(\frac{0}{0}\)不定形の原因だった\(x\)が分母分子から消えているよ!

 

マイナスに注意すべき場面と対処法

例題

$$\lim_{x\to -\infty}\frac{3x+5}{\sqrt{x^2+2}-x}$$

この極限をそのまま求めようとすると、\(-\frac{\infty}{\infty}\)の不定形になります。

よってこの問題は先ほどとは違い、有理化はあまり有効ではありません。

 

 

有理化を使わないで解決する方法として、分母分子を\(x\)で割るという手法が考えられます。

\begin{align} \lim_{x\to -\infty}\frac{3x+5}{\sqrt{x^2+2}-2} &= \lim_{x\to -\infty}\frac{3+\frac{5}{x}}{\frac{\sqrt{x^2+2}}{x}-1}\\\ &= \lim_{x\to -\infty}\frac{3+\frac{5}{x}}{\color{red}{-\sqrt{1+\frac{2}{x^2}}}-1}\\\ &= -\frac{3}{2}\\\ \end{align}

(※見切れている場合はスクロール)

ねっ、有理化なんか使わないでしょ?
ほんとだ・・・。だけど、なんで分母はマイナスになったの?
小春

 

この解答で注目して欲しいのが、赤で示している「急にマイナスが出てくる」タイプです。

これは、\(x\to - \infty\)という\(x<0\)と考えても良い場面が起因しています。

 

任意の数\(x\)の平方根は、\(\sqrt{x},\ -\sqrt{x}\)の2つがあります。

つまり

$$x=\left\{ \begin{array}{l} \sqrt{x^2}\ (x≧0) \\ -\sqrt{x^2}\ (x<0) \end{array} \right. $$

と定義されているわけです。

 

この中で\(x\to - \infty\)、つまり\(x<0\)の場面に適しているのは後者の\(-\sqrt{x^2}\)となります。

そのため先程の赤で示して部分には

\begin{align} \frac{\sqrt{x^2+2}}{x} &= \frac{\sqrt{x^2+2}}{\color{red}{-\sqrt{x^2}}}\\\ &= -\sqrt{1+\frac{2}{x^2}}\\\ \end{align}

という式変形が隠れているというわけです。

 

小春
うわぁ、確かにそうだけど引っかかりそう・・・
\(x\to - \infty\)のとき\(x = -\sqrt{x^2}\ (x<0)\)と見抜けるのがベストだけど、間違えない方法も一応あるよ。

 

慣れてしまうのがベストですが、どうしても違和感がある場合は

\(t = - x\)というふうにおくことで解消されます。

\(t = -x\)とおくと、\(x \to - \infty\)のとき\(t \to \infty\)なので\(t>0\)と考えて良い。

\begin{align} \lim_{x\to -\infty}\frac{3x+5}{\sqrt{x^2+2}-x} &= \lim_{t\to \infty}\frac{-3t+5}{\sqrt{t^2+2}-t}\\\ &= \lim_{t\to \infty}\frac{3+\frac{5}{t}}{\sqrt{1+\frac{2}{t^2}}+1}\\\ &= -\frac{3}{2}\\\ \end{align}

(※見切れている場合はスクロール)

 

有理化すべきでない問題で有理化すると・・・

 

2番目に扱った例題

例題

$$\lim_{x\to -\infty}\frac{3x+5}{\sqrt{x^2+2}-x}$$

では、有理化は使用すべきでありませんでした。

 

では、有理化をするとどういうことが起きるかみてみましょう。

\begin{align} \lim_{x\to -\infty}\frac{3x+5}{\sqrt{x^2+2}-x} &= \lim_{x\to -\infty}\frac{(3x+5)\color{red}{\left(\sqrt{x^2+2}+x\right)}}{\left(\sqrt{x^2+2}-x\right)\color{red}{\left(\sqrt{x^2+2}+x\right)}}\\\ &= \lim_{x\to -\infty} \frac{(3x+5)\left(\sqrt{x^2+2}+x\right)}{2}\\\ \end{align}

(※見切れている場合はスクロール)

小春
あれ、\(\infty - \infty\)不定形の部分が出てくる・・・。

 

このように「ルートが来たから有理化」という単純な問題ではなく、時と場合を選ばないとますます複雑にしてしまうだけです。。。

【まとめ】

今日のまとめ

 

まとめ

  1. そのまま極限を考えると\(\infty - \infty, \frac{0}{0}\)不定形になる場合、有理化を使うとうまくいく場合が多い。
  2. 負の無限大の極限を考える際、符号に注意する

 

教科書ではサラッと流される無理関数の極限ですが、実際には有理化すべき場面を見抜いたり、\(x\)の極限から符号を判断したりと、言われなきゃ身につかないテクニックがあります。

是非したのチェック問題でも力試しをしてみて下さい。

 

以上、「無理関数の極限について」でした。

 

チェック問題

 

例題

$$\lim_{x\to 1}\frac{\sqrt{x+3}-2}{x^2-4}$$

$$\lim_{x\to 1}\frac{\sqrt{x+3}-2}{x^2-4} = \frac{2-2}{-3} = 0$$

テクニック以前に、極限をそのまま考えるとどうなるかを考えることを忘れずに!

 

例題

$$\lim_{x\to -\infty}\frac{2x-\sqrt{4x^2+x}}{\sqrt{x^2-1}-x}$$

小春
そのまま考えると\(-\frac{\infty}{\infty}\)不定形だから、有理化は使わなくていいね!

 

\(x\to-\infty\)のもとで考えるので\(x<0\)とみなしてよく、このとき\(x= -\sqrt{x^2}\)であることに注意する。

分母分子を\(x\)で割ると

\begin{align} \lim_{x\to -\infty}\frac{2x-\sqrt{4x^2+x}}{\sqrt{x^2-1}-x} &=\lim_{x\to -\infty}\frac{\frac{2x}{x}-\frac{\sqrt{4x^2+x}}{\color{red}{-\sqrt{x^2}}}}{\frac{\sqrt{x^2-1}}{\color{red}{-\sqrt{x^2}}}-\frac{x}{x}} \\\ &= \lim_{x\to -\infty} \frac{2+\sqrt{4+\frac{1}{x}}}{-\sqrt{1-\frac{1}{x^2}}-1}\\\ &= \frac{2+2}{-1-1}\\\ &= -2\\\ \end{align}

(※見切れている場合はスクロール)

 

メモ

\(x=-\sqrt{x^2}\)と変形するのが不安な場合は\(t=-x\)とおくようにしよう!

 

例題

$$\lim_{x\to 2}\frac{\sqrt{x}-\sqrt{2}}{x-2}$$

小春
そのまま考えると\(\frac{0}{0}\)不定形だから、有理化が効果抜群かも?!

 

\begin{align} \lim_{x\to 2}\frac{\sqrt{x}-\sqrt{2}}{x-2} &= \lim_{x\to 2}\frac{\left(\sqrt{x}-\sqrt{2}\right)\color{red}{\left(\sqrt{x}+\sqrt{2}\right)}}{(x-2)\color{red}{\left(\sqrt{x}+\sqrt{2}\right)}}\\\ &= \lim_{x\to 2}\frac{\require{cancel} \cancel{x-2}}{\require{cancel} \cancel{(x-2)}\left(\sqrt{x}+\sqrt{2}\right)}\\\ &= \frac{1}{2\sqrt{2}}\\\ \end{align}

(※見切れている場合はスクロール)

 

メモ

\(x\to 2\)なので\(x>0\)と考えてよく、

\begin{align} x-2 &= \left(\sqrt{2}\right)^2-\left(\sqrt{2}\right)^2\\\ &= \left(\sqrt{x}+\sqrt{2}\right)\left(\sqrt{x}-\sqrt{2}\right)\\\ \end{align}

と考えると少しだけ早く計算できますよ。

 

\今回の記事はいかがでしたか?/

-ルート, 極限

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