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商の微分公式を使わない、分数関数の微分
この記事を読むと、この意味がわかる!
- 複雑な商の微分公式を覚えずに済む
- 見ただけで微分できるようになる
Contents
商の微分公式は、だいぶめんどい
分数関数の微分公式といえば、一般的に商の微分公式を用いて解決します。
商の微分公式
\(f(x),g(x)\)が微分可能なとき、
$$ \left\{\frac{f(x)}{g(x)}\right\}'= \frac{f'(x)g(x)-f(x)g'(x)}{g^2(x)}$$
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【商の微分公式】証明と覚え方→積の微分公式・逆関数の微分公式に帰着させよう!
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例題
\begin{align} \left(\frac{\sin x}{x}\right)' &= \frac{(\sin x)'\cdot x-\sin x\cdot x'}{x^2}\\\ &= \frac{x\cos x - \sin x}{x^2}\\\ \end{align}
しかし、この公式だと
- 「商の微分公式」として、新たに覚えておく必要がある。
- 分子の「引く数」「引かれる数」がわかりにくくなりがち。
というデメリットがあり、とくに暗記嫌いの方にとっては苦痛でしかありません。
そこで、分数関数を簡単に微分するテクニックとして
- べき乗\(x^n\)の微分公式
- 積の微分公式
- 合成関数の微分公式
の3つを使って、慣れ親しんだ公式に帰着させることを目指してみましょう。
分数関数の微分を秒速で終わらせるテクニック
解決するためのステップは、たったの3つ!
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STEP1分数をべき乗関数に直す\(\frac{1}{x}\)を\(x^{(-1)}\)として、表現を改めます。
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STEP2積の微分公式を適用「微分そのまま+そのまま微分」を行います。
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STEP3合成関数の微分公式を適用「外ビブン×中ビブン」を行います。
とはいうものの、慣れてしまえばまとめて一気にできるようになるので安心して下さい。
以下具体例を参考に解説しますね。
例題
次の関数を微分せよ。
$$\frac{\sin x }{1+\cos x}$$
STEP1:分数をべき乗関数に直す
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STEP1分数をべき乗関数に直す\(\frac{1}{x}\)を\( x^{(-1)}\)として、表現を改めます。
与えられた関数をべき乗の形に変形すると、
となりますね。
STEP2:積の微分公式
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STEP2積の微分公式を適用「微分そのまま+そのまま微分」を行います。
べき乗の形に直したものに、積の微分公式を適用します。
(※見切れている場合はスクロール)
STEP3:合成関数の微分公式
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STEP3合成関数の微分公式を適用「外ビブン×中ビブン」を行います。
上の式中に出てきた微分
の値を合成関数の微分法より求めます。
合成関数の微分のときに扱ったコツを使いましょう!
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まずこの関数は、
の合成関数ですね!
よって
最後に式を整理すると、答えが得られます。
(※見切れている場合はスクロール)
分数関数の微分 例題
例題1
例題
$$\left(\frac{1}{\log x}\right)’$$
例題2
例題
$$\left(\frac{x^3}{\tan x}\right)’$$
(※見切れている場合はスクロール)
まとめ
まとめ
とにかく積の微分公式に帰着させて、合成関数の微分法に落とし込む!!!
当たり前ですが、暗記ものは増えるほど学習コストは増し、意欲は減ります。
まして商の微分公式の形は複雑すぎます。
暗記ものが嫌いな方は、ぜひマスターして下さい!
以上、「分数関数の微分」についてでした!