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理系微分

【逆関数の微分法】って結局いつ使うの?証明や使い方をわかりやすく紹介

逆関数の微分法

Today's Topic

$$\frac{dy}{dx}=\frac{1}{\frac{dx}{dy}}$$

 

今日は微分のテクニックとして、逆関数の微分法を紹介するね!
逆関数の微分法?どんな時に使うの?
小春
名前の通り逆関数を微分するときや、あえて逆関数の微分法に持ち込むというテクニックもあるよ。
ホゥ〜。じゃあ今日はテクニックまでしっかり教えてね!
小春

 

この記事を読むと、この問題がわかる!

  • $$x=\sin y\ \left(-\frac{\pi}{2}<y<\frac{\pi}{2}\right)$$
    を満たすとき、\(\frac{dy}{dx}\)を求めよ。
  • $$y = \log x$$
    を満たすとき、\(\frac{dy}{dx}\)を求めよ。

例題で扱うね!

 

逆関数の微分公式

 

逆関数の微分では、次のことが成り立ちます。

逆関数の微分公式

$$\frac{dy}{dx}=\frac{1}{\frac{dx}{dy}}$$

 

合成関数の微分法と同じように、微分の「分数のように扱える性質」を使用しています。

小春
連分数の計算方法と一緒だね!

 

 

例題

$$x=\sin y\ \left(-\frac{\pi}{2}<y<\frac{\pi}{2}\right)$$

を満たすとき、\(\frac{dy}{dx}\)を求めよ。


(解答)

\(x\)を\(y\)について微分すると、

$$\frac{dx}{dy} = \cos y$$

よって、

\begin{align} \frac{dy}{dx} &= \frac{1}{\frac{dx}{dy}}\\\ &= \frac{1}{\cos y}\\\ \end{align}

\(-\frac{\pi}{2}<y<\frac{\pi}{2}\)より、

$$\cos y = \sqrt{1-\sin^2 y}=\sqrt{1-x^2}$$

以上より、

$$\frac{dy}{dx} = \frac{1}{\sqrt{1-x^2}}$$

 

逆関数の微分公式は

  • 逆関数のまま微分したいとき
  • \(y=f(x)\)の形にそもそも戻せないとき

に有効です。

 

小春
確かに例題の関数は、\(y=f(x)\)の形にできないから、\(\frac{dy}{dx}\)を求めるのは厳しいね・・・。
そう、だけど「\(x\)を\(y\)で微分する\(\frac{dx}{dy}\) 」なら求めやすいでしょ!

 

逆関数の微分公式の証明について

 

合成関数の微分法のときもそうでしたが、厳密な証明は大学数学に任せてあります

厳密性を重要視するあまり、わかりやすさが欠如してしまっては本末転倒だからです。

 

ここで扱う証明は、「微分する関数が必ず微分可能であること」を前提に行います。

厳密に行うためには、本当に微分可能かどうかまで証明する必要があるよ・・・。

 

証明

関数\(y=f(x)\)の逆関数\(x=g(y)\)について考えます。

 

\(x= g(y)\)の両辺を\(x\)について微分すると、

\begin{align} 1 &= \frac{d}{dx}g(y)\\\ \end{align}

となります。

 

ここで合成関数の微分公式を適用すると、

\begin{align} 1 &= \frac{d}{dx}g(y)\\\ &= \frac{d}{dy}g(y)\cdot \frac{dy}{dx}\\\ \end{align}

となります。

小春
外ビブン×中ビブンだったね!

 

移項して、無理やり\(\frac{dy}{dx}\)の形を作ると、

$$\frac{dy}{dx}=\frac{1}{\frac{dx}{dy}}$$

となります。

 

逆関数の微分 例題

 

ここでは、逆関数の微分法が活躍するよく知られた例題をいくつか扱います。

 

例題1

 

 

例題

$$y = \log x$$

を満たすとき、\(\frac{dy}{dx}\)を求めよ。


(解答)

\(y=\log x\)であるから、\(x=e^y\)。

\begin{align} \frac{dx}{dy} &= \left(e^y\right)'\\\ &= e^y \\\ &= x \\\ \end{align}

よって、

\begin{align} \frac{dy}{dx} &= \frac{1}{\frac{dx}{dy}}\\\ &= \frac{1}{x}\\\ \end{align}$$$$

 

 

この関数の導関数は、定義から導くことはできます。

 

しかし対数関数の微分公式の記事でも扱ったように、導出過程が少し複雑なんですね・・・。

逆関数の微分法を使えば、これほどあっさり出てしまうのに。。。

 

 

例題2

 

例題

$$y = x^{\frac{1}{3}}$$

を満たすとき、\(\frac{dy}{dx}\)を求めよ。


(解答)

\(y=x^{\frac{1}{3}}\)であるから、\(x=y^3\)。

両辺\(x\)について微分すると

\begin{align} 1 &= \frac{d}{dx}y^3\\\ \end{align}

合成関数の微分法より右辺は

\begin{align}  \frac{d}{dx}y^3 &= \frac{dy^3}{dy}\cdot\frac{dy}{dx}\\\ &= 3y^2\cdot\frac{dy}{dx}\\\ \end{align}$$$$

となる。

よって、

$$1= 3y^2\cdot\frac{dy}{dx} \iff \frac{dy}{dx} = \frac{1}{3y^2}$$

 

こちらも通常、無理関数の微分法を使って微分します。

しかしこのように、わざわざ逆関数に落とし込むことで、無理やり微分することもできます。

微分するときの、1つのテクニックとして持ってくといいよ。

 

まとめ

最後にまとめます。

 

まとめ

逆関数の微分法は、分数のようにみなして

  1. \(\frac{dy}{dy}\)を求めて、
  2. $$\frac{dy}{dx}=\frac{1}{\frac{dx}{dy}}$$を計算すれば良い。

また、あえて逆関数の微分法を使うことで簡単に微分できることがある。

 

逆関数の微分法は、問題を解く上で必須のテクニックになることが多いです。

また解答のテクニックとしては優秀で、対数微分法と同じように、複雑な関数の微分を容易にしてくれることがあります

逆関数の微分方をしっかり理解しておくだけで、暗記モノもグッと減るんだよね。

 

ぜひ重要テクニックとして、頭に入れておきましょう

以上、「逆関数の微分法」についてでした。

\今回の記事はいかがでしたか?/

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