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$$\frac{dy}{dx} = \frac{\frac{dy}{dt}}{\frac{dx}{dt}}$$
この記事を読むと、この意味がわかる!
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$$\left\{ \begin{array}{l} x = \theta - \sin \theta \\ y=1 - \cos \theta \end{array} \right. $$
の導関数\(\frac{dy}{dx}\)を求めよ。
Contents
媒介変数表示の微分法
共通の変数\(t\)によって\(x,y\)をそれぞれ定義した媒介変数の、導関数\(\frac{dy}{dx}\)は次のように求めることができます。
ポイント
$$\frac{dy}{dx} = \frac{\frac{dy}{dt}}{\frac{dx}{dt}}$$
例題
$$\left\{ \begin{array}{l} x = \theta - \sin \theta \\ 1 - \cos \theta \end{array} \right. $$
の導関数\(\frac{dy}{dx}\)を求めよ。
(解答)
\(\frac{dx}{d\theta} = 1-\cos \theta,\ \frac{dy}{d\theta} = \sin \theta\)より、
\begin{align} \frac{dy}{dx} &= \frac{\frac{dy}{d\theta}}{\frac{dx}{d\theta}}\\\ &= \frac{\sin \theta}{1-\cos \theta}\\\ \end{align}
媒介変数表示の微分法 証明
媒介変数表示における微分法は、
を使うことで証明することができます。
証明
\(x, y \)ともに\(t\)の関数
とする。
合成関数の微分法より、
逆関数の微分法より、
よって、
媒介変数表示の微分法 使い方
媒介変数の微分法を使う場面は、主に2つです!
媒介変数表示された方程式の接線を求める
媒介変数の微分を使えるようになったことで、基本的にどんなグラフの接線でも求められるようになりました。
例題
$$\left\{ \begin{array}{l} x=\cos^3 \theta \\ y=\sin^3\theta \end{array} \right. (0≦\theta≦\pi)$$の\(\theta = \frac{\pi}{3}\)における接線の方程式と、接点の座標を求めなさい。
▼詳しくはこちらで解説
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【媒介変数表示されたグラフの接線】を、たったの3ステップで求めよう!
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媒介変数表示された方程式のグラフを描く
また、接線のもつ「未来の増加レベル」の意味を考えると、グラフを描くことができましたね。
つまりこの微分法によって、媒介変数表示された方程式のグラフを正確に描くことが可能になったのです!
例題
$$\left\{ \begin{array}{l} x=2\sin\theta \\ y=2\sin2\theta \end{array} \right. (0≦\theta≦\pi)$$のグラフを描け
▼詳しくはこちらで解説
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【媒介変数表示のグラフ】2階微分は絶対するな!極限を使った超カンタン解答方法
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まとめ
媒介変数の導関数を求めること自体は、それほどハードルが高くありません。
問題なのはその導関数を問題にどう活かすか、です。
証明はこれまでに習得した合成関数・逆関数の微分法だけでOKなので、暗記せずともクリアできるでしょう。
微分の意味を知っているあなたが、媒介変数の問題で「あぁ、これ微分できたら便利なのに」と感じるときにご活用ください。
以上、「媒介変数の微分法について」でした。